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自由が丘でカザマナオミさん作品展-形を持たない「色」の美しさ表現

カザマナオミさん作品展「無図色 muzuiro-for less color」から、20色もの色が重なり合う「Chip」

カザマナオミさん作品展「無図色 muzuiro-for less color」から、20色もの色が重なり合う「Chip」

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 自由が丘駅前のギャラリー「DIGINNER GALLERY WORKSHOP(ディギナー ギャラリー ワークショップ)」(目黒区自由が丘1、TEL 03-6421-1517)で現在、カザマナオミさんの作品展「無図色 muzuiro-for less color」が開かれている。

(写真)色鮮やかな作品が目を引くギャラリー内の様子

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 展示するのは、液体のインクが生み出す形を持たない色の美しさを表現したインスタレーション作品約30点。カザマさん自ら「YOSEMITE(ヨセマイト)」と名付けた独自の技法によるもので、従来のスクリーンプリントの技法とスタンピング、ドリッピングなどで何色もの色を重ねた作品は、その美しい色彩構成と有機的なグラフィックが目を引く。

 カザマさんは神奈川・鎌倉生まれ。1993年に渡米し、ストリートアートの先駆者シェパード・フェアリーさん(OBEY)と出会ってシルクスクリーンプリントを学んだ後、1998年帰国。ニューヨークと東京をベースに活動するアーティストペインティングコラボレイティブ「バーンストーマーズ」やライブスクリーンプリントグループ「Big O project」などでも活動するほか、作家として国内外の個展・グループ展で作品を発表している。

 作品が生まれる過程について、カザマさんは「何もないところへきっかけを作るのは自分だが、そこから生まれた(インクの)リアクションに合わせて次々と作っていく。あくまで受動的なので、自分でも何ができるかわからない」と話す。

 シルクスクリーン印刷は図柄を数回に分けて多色刷にするのが一般的だが、カザマさんの作品「Chip」の場合、20色ものインクを使っているが、それをたった1版で作ったという。そして制作過程で生まれた廃インクをさらに紙に刷った作品や、刷ったものをちぎってコラージュした大型作品「呼吸の様子」など、さまざまな表情を持つアートが実は互いに成り立っている。

 「作品は全てアンタイトルだが、作り上げてから見る人のために『ヒント』として付け、自分が作品をどう見ているか伝える」といい、「作品(展)は人と繋がるコミュニティー。パーソナルなものを共有できればうれしい」とも。

 営業時間は12時~20時(最終日は17時まで)。12月22日まで。

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