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自由が丘生まれの書家・石川青邱さん、日展・書部門で特選 「書家として一つのデビュー」

特選を受賞した書家・石川青邱さん

特選を受賞した書家・石川青邱さん

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 美術団体「日展」は10月19日、「改組新第7回日展」第5科(書)の入選者を発表し、自由が丘出身の書家・石川青邱(せいきゅう、本名・石川圭一)さんが特選を受賞した。

【写真】特選に輝いた石川青邱さんの作品「弘育」(公益社団法人 日展提供)

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 石川さんは1970(昭和45)年、東京・自由が丘生まれ。大東文化大学文学部中国文学科卒業後、13年間の会社員勤務を経て35歳で書家として独立。同時に、生まれ育った自由が丘に書道教室「書道研究 尚美社」(世田谷区奥沢5)を開塾し、後進の育成にも携わってきた。現在は日展会友、読売書法会理事審査員、和洋女子大学日本文学科書道専攻講師なども務める。

 日展には28歳で初入選を果たし、これまで16回入選。今年初めて念願の特選に輝いた。書の部門で今年は8,431点の応募があり、特選はその中から10点のみ選ばれる狭き門。石川さんは「書家としてここを超えたい、と5年越しで(特選受賞を)イメージしてきた。一つの『デビュー』を迎えることができた」と喜びを語る。

 受賞作品「弘育(こういく)」は、約3000年前の中国・殷周時代の青銅器の表面に刻まれた古代文字「金文(きんぶん)」で書かれたもの。授賞の理由について、日展は「古代文字の造形的な楽しさを、古典に基づきながら明るく大胆に表現した秀作。強靭(きょうじん)な線と軽快な線の響き合い、墨の黒と紙の白とのコントラストが見事である。奇をてらわず自然体で書かれたモダンな作品である」と評価した。

 石川さんは「書は鍛錬してきたものが線に出る。これまでの鍛錬を評価していただけたのはうれしい限り。古代文字・金文が持つ素材の生かし方、現代書の在り方をこれからも追求していきたい」と話す。

 日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の5部門にわたり約3000点の芸術作品が展示される日展(改組 新 第7回 日本美術展覧会)は今月30日~11月22日、六本木・国立新美術館(港区)で開かれる。

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