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自由が丘で黒沼真由美さん個展 独自の「レース編み」でネコの姿を再現

現代美術作家・黒沼真由美さんの個展「ネコー!!」から、独自のレース編みで再現したヤマネコ

現代美術作家・黒沼真由美さんの個展「ネコー!!」から、独自のレース編みで再現したヤマネコ

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 現代美術作家・黒沼真由美さんの個展「ネコー!!」が11月18日、自由が丘駅前のギャラリー「DIGINNER GALLERY(ディギナー・ギャラリー)」(目黒区自由が丘1、TEL 03-6421-1517)で始まる。

独自のレース編みで再現した作品・ヤマネコ(全身の様子)

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 黒沼さんは1968(昭和43)年、千葉県生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科油画技法材料研究室修了後、しばらく作家活動から遠ざかっていたが、寄生虫専門の研究博物館「目黒寄生虫館」(目黒区)で目にしたサナダムシの標本の美しさに感動し、その体の構造を解剖学的に「レース編み」で再現することを思い付く。

 2015(平成27)年に発表した作品「内なる海~飯島魁博士に捧(ささ)ぐ~」は、動物学者・寄生虫学者の飯島魁(1861~1921)が研究したサナダムシや海綿動物・六放海綿をテーマに、複雑な体の構造を標本写真を基に独学のレース編みで忠実に再現。同作品をきっかけに、かぎ針編みと棒針編みを組み合わせた独自のレース編みの技法「生物学的レース編み」を確立した。

 今回発表するのは、初めて取り組んだという哺乳類などの脊椎動物がモチーフの作品で、ネコを中心とした約20点を展示。黒沼さんによれば、脊椎動物は「昆虫などの節足動物と違って骨格は見えないが、毛皮の毛の向きで骨格の動きが分かる」という。これまでの作品同様、博物館などへ足を運んでネコの骨格標本を写生し、体の構造を頭にたたき込んでから創作に取り組んだという。

 作品を編んでいくうちに、14年間一緒に暮らした愛猫・イチや、実家の飼いネコたちの記憶がよみがえってきたという黒沼さん。「ネコの体の重みや柔らかさ、温かさ、喉をゴロゴロ鳴らす音、額と額をくっつけた時の額から鼻への角度など、思いの外自分の記憶に染み付いていたことが分かった」とも。

 作品について、同ギャラリー店主の鈴木宏信さんは「これまではクラゲや魚などの海洋生物、昆虫やクモガタ類などの節足動物がテーマだったが、今回はより解剖学的な要素を感じさせる。レースの編み目の加減で、骨格や筋肉が再現されている」と話す。会場では、作品がモチーフになったオリジナルTシャツなどの販売も予定している。

 開催時間は11時~19時(最終日は17時まで)。今月29日まで。

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