今年も全長10メートルの「大蛇」完成-奥沢神社「大蛇のお練り」迫る

氏子たちの手によって社殿に運び込まれる、新調された奥沢神社「大蛇」の姿

氏子たちの手によって社殿に運び込まれる、新調された奥沢神社「大蛇」の姿

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 奥沢神社(世田谷区奥沢5)で9月12日、例大祭「大蛇のお練り」が行われる。

鳥居に巻き付ける「大蛇」の掛け替え作業も無事完了

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 毎年9月第2土曜日に行う同祭は、わらで作った全長約10メートル・重さ100キロを超える大蛇を氏子たちが担いで町内を練り歩くもの。由来は、江戸時代中期に同地域にはやった疫病を鎮めるため八幡様が村の名主の夢枕に現れ「わらで作った大蛇を村人が担いで村内を巡行させると良い」とのお告げに従ったのが始まりとされる。

 同神社のように毎年大蛇を新調し、村境やシンボルとなる場所に置いて村から災いを防ぐ「防ぎの信仰」は全国的に行われているが、同神社の長谷川宮司によれば「通常は全長1.8メートル~3メートル前後の大蛇を作る神社が多く、全長10メートルともなると南関東でも3番目の大きさに入るのでは」と話す。

 同神社では同6日、祭りに先駆けて数十人の氏子が集まり今年の大蛇作りが行われた。作業は朝9時に始まり、わらで縄をなってそれらを組み合わせて編み込み、大蛇の胴体となる大綱を作り上げていく。午後からは大蛇の顔作りに入り、たてがみをそろえ、目、鼻、耳、8本のひげを付けて完成した。

 「作り方は毎回一緒だが、人の手を介すと毎年表情も違ってくる」(長谷川宮司)といい、今年は凛々しさと愛らしさが感じられる大蛇が出来上がった。完成後は、昨年作られた大蛇と交代して社殿に安置。社殿から出された古い大蛇は、来年まで鳥居に巻きつけて参拝者の厄除けと開運を祈念する。

 同12日「大蛇のお練り」は10時~12時30分を予定。社殿から大蛇を担ぎ出して同神社を出発、氏子が住む同区奥沢1~8丁目、玉川田園調布1~2丁目エリアの主要道路を練り歩く。道路交通法上、同エリアに含まれる環状8号線部分はお練りが行えないため、トラックで大蛇を運ぶ様子も見ることができるという。

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