九品仏の「サギソウ」、猛暑の影響で開花時期に遅れ

猛暑に一服の清涼剤、九品仏・浄真寺本堂脇の湿地に咲くサギソウ

猛暑に一服の清涼剤、九品仏・浄真寺本堂脇の湿地に咲くサギソウ

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 「九品仏」の通称で知られる浄真寺(じょうしんじ)(世田谷区奥沢7)に咲くサギソウが、7月から続く猛暑日の影響で例年よりも開花期間に遅れが出ている。

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 サギソウは、7月中旬~8月初旬ごろに3センチほどの純白の花を咲かせるラン科の多年生草木。その花の形が翼を広げて飛ぶ「サギ」の姿に似ているところから、この名前がついたと言われている。大正の末ごろまでは同寺周辺の奥沢田甫(たんぼ)に自生し、同区奥沢には「鷺の谷」、また地続きの目黒区自由が丘にも「鷺草谷」という地名があったほど。

 現在、区内にサギソウの自生地は残っておらず、同寺本堂脇の湿地にある小さなサギソウ園で見ることができる。同園を管理する川端造園(世田谷区)では、毎年咲き終わったサギソウの球根を保管。毎年1月~2月ころミズゴケに植え付け、茎の長さが20センチ以上になる7月中旬に同園へ移植する。

 今年は同園に約4,000株を植え付けたが、「7月中旬からの高温障害でつぼみがなかなか上がらず、中には開花前に立ち枯れたものもあった。8月10日過ぎからようやく開花し、例年に比べて1~2週間ほど遅れが出ている」と川端造園の原田さん。通常であれば茎の先端から数輪咲く花も、今年はやや少ないものも見られる。

 同園のサギソウは、9月第1週ころまで楽しめそう。

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