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奥沢で「宮本三郎と奥沢の芸術家たち」展-芸術家の交流も紹介

世田谷奥沢にあったアトリエで制作を行う画家・宮本三郎(1905~1974)の様子を捉えた一枚

世田谷奥沢にあったアトリエで制作を行う画家・宮本三郎(1905~1974)の様子を捉えた一枚

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 世田谷美術館分館宮本三郎記念美術館(世田谷区奥沢5、TEL 03-5483-3836)で現在、収蔵品展「宮本三郎と奥沢の芸術家たち」が開催されている。

吉仲太造 《釘A》 1962年 世田谷美術館蔵

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 昭和の洋画壇を代表する画家・宮本三郎(1905~1974)。宮本三郎が1935(昭和10)年から1974(昭和49)年に亡くなるまでアトリエを構え、制作の拠点としていたのが今の同館がある場所。この世田谷玉川エリアには当時、隣接する目黒区自由が丘、大田区田園調布などを含め、多くの芸術家が居住していたことで知られている。

 同展では、宮本三郎と同時期にこのエリアに住み、交流などを通じて文化的土壌を育んだ芸術家16人を取り上げ、彼らの作品や資料などを展示。世田谷美術館(世田谷区砧公園)の所蔵作品と合わせ、戦前から現代にかけて日本美術史の一翼を担った重要な作家たちの表現を「ローカル」な視点で紹介する。

 宮本三郎の作品(計4点)をはじめ、洋画家の猪熊弦一郎、岡本太郎、末松正樹、利根山光人、富田通雄、村井正誠、吉仲太造、日本画家の上野泰郎、彫刻家の澤田政廣、建畠覚造の代表的な作品(計16点)を展示。美術家の岡本太郎、榎倉康二、小説家の石川達三、石坂洋次郎、舞踊家の石井漠らについては記録写真や書籍資料(30点)、映像資料をそろえる。

 併せて、解説パネルで芸術家同士の「交流」エピソードなども紹介。岡本太郎は宮本三郎と戦前のパリで交流があり、帰国後はしばしば宮本家を訪ねる間柄だったことや、宮本三郎は飼っていた犬の名前を岡本の名前から取って「太郎」と名付けたなど、美術だけではない人間的な親交も知ることができる。

 同館では「宮本三郎以外の作品を展示することはこれまで多くなかった」ことから、同展では同時代的に制作された作家の表現と同じ場所に並べることで「宮本三郎の美術史的な位置、特異性をいっそう明らかにすることを目指した」という。

 同展関連イベントとして、同館学芸員によるギャラリートーク「宮本三郎と自由が丘」(3月1日14時~14時30分)も行う。

 開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。観覧料は一般200円。月曜休館。3月21日まで。

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