
染色家として75年にわたって創作活動を続け、昨年1月に亡くなった柚木沙弥郎(ゆのき・さみろう)さんのリトグラフ展「パリ、左岸にて」が4月18日、イデーショップ自由が丘店(目黒区自由が丘2、TEL 03-5701-7555)で始まる。
イデーは、日本を代表する民藝の染色家、アーティストとして活動した柚木さんと、さまざまなものづくりに取り組んできた。その一つが、柚木さん描き下ろしの原画を元に、仏パリのリトグラフ工房「Idem Paris(イデム・パリ)」が制作したリトグラフ作品。同展では、2016年から2020年にわたって制作した作品の中から、特に人気の高かった8作品を限定復刻し展示販売する。
柚木さんは1922(大正11)年東京生まれ。思想家の柳宗悦が提唱した「民藝」との出合いをきっかけに、1947(昭和22)年、後の人間国宝となる染色工芸家・芹沢銈介に弟子入り。以降、染色家としての活動を主軸に、絵本や版画、立体作品など幅広い分野で創作活動を続けてきた。モダンで個性豊かな作品は幅広い層から支持され、101歳まで生涯現役で活躍した。
イデム・パリは「パリの伝説的リトグラフ工房」として100年以上の歴史を持ち、マティス、ピカソ、ブラック、シャガール、ミロなどの巨匠から現代の作家までさまざまなアーティストの作品を制作していることで知られる。
展示販売する作品は、「自画像」「4つのパン」(以上18万円)、「ティータイム」「かたち」「雨上がりのパリ」「生命の樹」(以上6万5,000円)、「ピープル」「小鳥」(以上13万円)。
会場となる同店「IDEE GALLERY AND BOOKS」では、イデーと柚木さんとのものづくりの時間を収めた写真を展示するほか、リトグラフ全作品を収録した作品集「SAMIRO YUNOKI LITHOGRAPHIES in Paris, Rive Gauche」(A5判、3,300円)やオリジナルトートバッグなどの関連グッズを販売する。
開催時間は11時30分~20時(土曜・日曜・祝日は11時~)。5月19日まで。