駒沢通りをメーンに周辺の目黒区・世田谷区エリアの町並みや実店舗を撮影ロケ地としてテレビ・映画・CFなどの撮影関連業界へ紹介する合同企画プロジェクト「KOMAZAWA LOCATIONS」が地元有志によって設立され、12月1日よりサービスを開始した。
東京都や横浜市などの地方自治体や観光協会などが主体となってフィルムコミッションを設立・運営する例は多いが、同プロジェクトは、ホームスタイルの音楽スタジオ「STUDIO CIRCUS」(目黒区柿の木坂3)を運営するオーナーの田中創さんと、駒沢通り沿いでデザイン事務所やアンティーク家具がそろうカフェ「EMPORIO」を手がける「not for sales Inc.」(鷹番3)の西脇建治社長の2人が窓口となり、地域に根ざしたロケーション活動を行っていく。
同プロジェクト設立のきっかけについて、田中さんは「駒沢通り周辺は、東横線・中目黒駅~自由が丘駅間にある『祐天寺駅』『学芸大学駅』『都立大学駅』があり、人気の面では両駅に押されているものの、『駒沢公園』を含めた街並みはゆったりとしたくつろぎを与えてくれる。通り沿いに『めぐろパーシモンホール』が数年前にできたのをきっかけに、『芸術の街』としてのおもむきも生まれつつある。そうした街の魅力を伝え、ひいては周辺地域を活性化できればとロケーション活動を考えた」と話す。
スチールやVTRの撮影場所となるのは、2人が所有するホームスタジオやカフェ、商品倉庫を改造したフリースペース、同プロジェクトに賛同した地元・学芸大学駅東口商店街にある「美容室ロビン」(鷹番2)など「生きた街」そのもの。現時点で10パターンのロケーションを用意し、さっそくフジテレビの情報番組「めざにゅ~」内「めざまし川柳」コーナーの撮影場所として採用されるなど各方面から問い合わせが寄せられているという。
同プロジェクトでは、「1本の映画がすべて駒沢のロケ地で完成する」をコンセプトに、撮影場所を提供してくれる地元商店・企業、地域住民などの「ロケ仲間」も募集しているが、「あくまで店や住宅をそのままを見せることを前提に、参加者には負担をかけないスタイルにしていく」(田中さん)といい、「商店の場合には、定休日に撮影日を設定するなど有効な使い方を考えていきたい。我々が中心となって撮影に必要となる各種申請や調整、契約書作成などのスキームを明確化して『ロケ仲間』との信頼関係を築き、依頼者とロケ仲間とのパイプ役を担っていければ」(西脇社長)。
今後の展開について、「この活動に対する地域の皆さんの関心が日々高まっているのを感じている。少しずつ仲間を増やして活動を広げ、街を元気にしていきたい」(西脇社長)、「この活動がきっかけとなって、駒沢公園を含めた駒沢通り周辺で映画・写真・音楽などの芸術祭をぜひ開いてみたい」(田中さん)とも。
ロケーションの詳細内容や利用料金表などは、公式サイトに掲載する。予約やロケハン、ロケーション参加などの問い合わせは、電話(10時~19時)とメール(location@notforsales.net)で受け付けている。