自由が丘北口に9月3日、ココナツ製品・ココナツオイルの専門店「cocowell(ココウェル)自由が丘店」(世田谷区奥沢7)がオープンした。
「cocowell」「Francis+Dale」全商品をそろえる店内の様子
経営はココナツ製品の輸入販売、製品開発を手掛けるココウェル(大阪市)。社長の水井裕さんは大学時代、環境問題を学ぶために留学したフィリピンで、ゴミ山から鉄くずなどを拾って暮らす地方出身の子どもたちの姿に衝撃を受けたという。そこでフィリピン農村部での雇用創出を目指し、創業当時(2004年)の日本ではまだあまり知られていなかったフィリピン産「ココナツオイル」に着目。ココナツ農家を支援する同社を立ち上げた。
ここ数年、ココナツオイルの健康効果がメディアで取り上げられたことで注目を集めているが、「単なるブームで終わらせることなく、優れた特性を持つココナツを使った製品を通して、さまざまな使い方や楽しみ方を直接伝えたい」(水井さん)と購入客が多い東京に初の直営店を出店した。
出店場所は、玉川聖学院近くにあるオーガニックコットン専門店「メイド・イン・アース自由が丘店」の地下1階部分。店内には食品・化粧品の全商品をそろえるほか、同社の新会社でフィリピン・レイテ島発のテーブルウエアブランド「Francis+Dale(フランシス+デール)」の商品も取り扱う。
主力商品は、ココナツの白い果肉を最新の低温乾燥圧縮法で抽出した「エキストラバージンココナッツオイル エクスペラー」(225グラム=1,800円)、通常は25度前後で性状が変化するココナツオイルを0度まで固まらないように開発した「リキッドココナッツオイル」(280グラム=2,400円)、黒糖のような香ばしさを持つ天然糖「ココナッツシュガー」(250グラム=850円)、バージンココナツオイルを70%配合し、香料は天然精油を使ったリップクリーム「オーガニックココリップ」(6種=各600円)。
そのほか、リキッドココナツオイルを使った「ココドレッシング(オニオン・ゴマ・レモン味)」(各180ミリリットル=800円)、ココナツと相性のいい素材を合わせたペースト状のデザートディップ「ココディップ(黒豆・リンゴ味)」(各150グラム=900円)などの新商品も。スタッフが店頭で商品の使い方や試食などにも対応する。
テーブルウエア「フランシス+デール」は、2013年にレイテ島を襲った巨大台風で3400万本もの倒木被害を受けたココナツ農家の収入手段として、ココナツの木を利用した食器づくりから始まったプロジェクトだったという。
「ココナツの木は割れやすいなど加工が難しく製品づくりは順調ではなかった。レイテ島に家具や食器などで使われる高級材『マホガニー』の木が生息していることが分かり、10~15年で成長すると知った。早速使ってみたところ木目も美しく、強度のある食器が出来上がった」と水井さん。島の環境や地域社会に配慮したエシカル・テーブルウエアブランドとして今年7月、販売を始めた。
商品は、なめらかなカーブが特徴の「カーブカッティングボード」(3,500円~5,500円)、ワンプレート料理に使える「ラウンドプレート」(1,200円~5,000円)、手になじみやすいスプーン(700円~)などのカトラリーほか24種類をラインアップする。今後はアクセサリーなども展開する予定だという。
水井さんは「店頭でココナツ製品に実際に触れ試していただけたら。ココナツが日本の皆さんにとっては健康に、フィリピンの人々には豊かな生活へとつなげていきたい」と意気込む。
営業時間は11時~19時。