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自由が丘でタイ人画家が個展 国王崩御を悼む国民の姿を「動物」に例えて描写

動物の形を借りてタイの人々の心情を墨一色で描いた「BLINDED」展、作品の前に立つタワン・ワトュヤさん

動物の形を借りてタイの人々の心情を墨一色で描いた「BLINDED」展、作品の前に立つタワン・ワトュヤさん

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 自由が丘駅前のギャラリー「DIGINNER(ディギナー) GALLERY WORKSHOP」(目黒区自由が丘1、TEL 03-6421-1517)で現在、タイ人画家タワン・ワトュヤさんの個展「BLINDED」が開かれている。

タイ人画家タワン・ワトュヤさんの個展「BLINDED」作品より

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 ワトュヤさんは1973(昭和48)年生まれ。国立シラパコーン大学卒業後、母国を離れ世界各国でアーティストレジデンスを経験しながら作品を発表してきた。水彩画による詩的な画風で、政治的混乱などが続くタイ社会の現状を客観的かつ挑発的な視点で描いた作品で注目を集めている。

 日本で初の個展となる同展は、ワトュヤさんが2年ほど前から形や動きに興味を持って描いてきたという「動物」がモチーフの新作21点を展示する。同ギャラリー店主の鈴木宏信さんによると、企画当初は「年始の展示に合わせて日本とタイの『十二支』にリンクするようなテーマを考えていた」という。だが昨年10月、ワトュヤさんの母国・タイのプミポン国王崩御で、テーマが大きく変わることになった。

 国王の死を悼み、タイ政府は政府機関や公務員が1年間喪に服すことを求め、国民にも30日間の娯楽や祝い事の自粛を呼び掛けた。ちょうどメキシコでのアートプロジェクトを終えてタイへ帰国したワトュヤさんが目の当たりにしたのは、「どこへ行っても、黒い服を着た人々がまるでブッダが亡くなったかのようなショックを受けて泣いている」姿だったという。「これは『記録』として描かなくてはと感じた」とワトュヤさんは話す。

 「人間も動物も裸になれば同じ」というワトュヤさんは、動物の形を借りてタイの人々の心情を墨一色でスピーディーに描いた。日本の十二支でウサギに当たる「ネコ」、イノシシに当たる「豚」、タイの空想上の動物なども描かれ、国王崩御による悲しみ、そして先が見えない人々の不安な様子と、それとは対照的に自由な動物の姿とのギャップが際立つ内容となっている。

 同ギャラリー2階には、ワトュヤさんが過去に発表したポルノグラフィーがテーマのポートレート作品10点を展示。今回のメイン作品の色調・黒とは対照的なカラフルな作品が並ぶ。

 営業時間は12時~20時。入場無料。2月5日まで。

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