自由が丘商店街振興組合は7月20日、黒柳徹子さんのベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」の舞台となった母校・トモエ学園小学校の記念碑を移転し、一時保管していると発表した。
取り外された自由が丘学園・トモエ学園記念碑「碑文」「タイムカプセル」の背面
同組合によると、碑は高さ108センチ、横162センチの黒御影石製。トモエ学園の前身「自由ケ丘学園」とトモエ学園の同窓生らが1988(昭和63)年に両小学校の跡地に建てたが、跡地に出店していたスーパーマーケット「ピーコックストア自由が丘店」(目黒区自由が丘2)の店舗建て替えに伴い、同組合の管理下で一時保管することになった。
碑文には、自由が丘の地名が自由ケ丘学園に由来すること、同学園を創設した教育者の手塚岸衛と、経営危機に見舞われた同学園を再出発させたリトミック教育の第一人者、小林宗作の2人が、自由が丘の地で新しい教育を行ったことなどが刻まれている。
移転作業は6月下旬に行われ、業者が約1時間かけて黒御影石製の本体から碑文部分を取り外した。手堀りで作業を進める中、碑文が刻まれたプレートと一体化したステンレス製ボックスが姿を現し、これが黒柳さん直筆の手紙などを収めたタイムカプセルであることが分かった。
作業に立ち合ったトモエ学園小学校同窓会・木村昭太郎会長代理人の佐藤尚代さんは「丁寧に記念碑を掘り出していただき、自由が丘商店街振興組合のご厚意の下、一時保管されている。碑文には『ここに行われた教育が、時をこえて生き続けることを願い…』とあり、記念碑が『時をこえて』再登場することを楽しみにしている」と話す。
ピーコックストアを経営するイオンマーケット(杉並区)によると、現段階では2023年に同所で再出店を予定しており、敷地内に再び記念碑を設置することが検討されているという。