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学大の書店で写真家・表萌々花さん作品展 火葬場の煙突通じて死生観表現

写真家・表萌々花さんの写真展「沈黙の塔 Tower of Silence」作品から

写真家・表萌々花さんの写真展「沈黙の塔 Tower of Silence」作品から

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 写真家・表萌々花さんの写真展「沈黙の塔 Tower of Silence(タワー・オブ・サイレンス)」が11月13日、東横線・学芸大学駅の書店「BOOK AND SONS(ブック・アンド・サンズ)」(目黒区鷹番2、TEL 03-6451-0845)で始まった。

写真展「沈黙の塔 Tower of Silence」作品から

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 表さんは1998(平成10)年岐阜県生まれ。海外でのボランティア活動をきっかけに写真を撮るようになり、帰国後、アシスタントを経て写真家として独立。訪れた土地の持つ空気感や風土、時に厳しい現実や死生観を感じさせる作品をこれまで数多く発表してきた。

 同名の写真集「沈黙の塔 Tower of Silence」(PINHOLE BOOKS刊)の発売を記念した同展。日本各地に残る「火葬場の煙突」をモノクロフィルムで撮りためたシリーズから25点を展示する。

 景観・環境面などの問題から近年、煙突が外から見える火葬場は少なくなってきている。表さんは「それを知った時、単なる設備の変化としてだけでなく、死を『見たくないもの』として遠ざけようとする私自身を表しているようにも思えた」という。そうした消えゆく風景を記録したいと、3年かけて70カ所の火葬場と火葬場跡へ足を運び、カメラに収めた。

 「死は個人のものでありながら、同時に共同体の中に確かに存在している。『弔い』とは誰のためのものなのか。私は今、自分が記録してきた写真を眺め、沈黙に耳を澄ませている」とも。

 同展担当者は「現代社会が目を背け、沈黙させた死の象徴である『塔』を記録することで、私たち自身の感じる不自然さを咀嚼(そしゃく)し、現代における社会と死との距離を測り直す作品群になっている」と話す。

 開催時間は12時~19時。水曜定休。観覧無料。12月2日まで。同展と連動したプログラム「表萌々花×山西ももトークイベント」(11月15日16時~17時)も開催。料金は1,650円。定員20人。同店オンラインストアで予約を受け付けている。

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