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「新米食べて友好都市を支援」-目黒区内で宮城県角田市特別栽培米を販売

五ツ星お米マイスターとして知られるスズノブの西島豊造さん(写真)も「今年の出来は例年以上」と話す、宮城県角田コシヒカリ

五ツ星お米マイスターとして知られるスズノブの西島豊造さん(写真)も「今年の出来は例年以上」と話す、宮城県角田コシヒカリ

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 東京都米穀小売商業組合目黒支部加盟店は10月20日、目黒区友好都市である宮城県角田市産特別栽培米「こしひかり」の販売を始めた。

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 両者は1982(昭和57)年より、農産物に関する研修や目黒区内小学校での稲作指導、双方の小学生のホームステイなどで交流。2008年には友好都市協定を締結している。

 10年ほど前から同加盟店限定で販売する特別栽培米は、角田市の一般栽培米と比べて節減対象農薬と化学肥料を5割以下に削減して栽培したもの。毎年その味が好評を集め、昨年は約600俵余りを販売した。

 3月の東日本大震災により、道路や河川堤防、家屋全半壊などの被害を受けた同市。そこで目黒区では、同市の復興を願って「新米を食べて友好都市角田市を支援しよう」をキャッチフレーズに、新米の消費拡大を呼び掛ける。

 「今年は全国的に何十年ぶりの大豊作で、角田の米も例年以上に出来が良い。しかし今年ばかりは東北米の販売は難しい状況」と話すのは、同組合加盟店の一店で都立大学にある米専門店「スズノブ」(目黒区中根2)の西島豊造さん。

 放射性物質への不安から東北産農産物を敬遠する消費者が増えたことで、福島では約半分、東北全体でも3分の1以上の農家が今後農業を続けていくことに諦めが出ているという。「農業は『種』の継続が必要で、これが今年途切れてしまえば関東に住むわれわれにとって大きな産地を失うことになる」

 そこで同店では、通常5キロパック(1,980円)で販売する同米を「将来の農産地を取り戻し守るためにも、何回かに1回でもいいので、角田の米を『支援』というよりは少しでも『協力』する気持ちで食べてもらえたら」と、1キロ単位(396円)で量り売りも行っている。

 店頭に並ぶ精米前の米はつややかな黄金色で、その味わいは「どんなおかずにも合う、音楽に例えるならばハーモニー型」とも。売り切れ次第、販売を終了する。

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