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奥沢で企画展 山形の家具メーカー「天童木工」ものづくりを紹介 

発売から50年経った今も多くの人に愛される天童木工「テーブル」(写真)は同社の技術者・乾三郎が開発した「座卓」から生まれた

発売から50年経った今も多くの人に愛される天童木工「テーブル」(写真)は同社の技術者・乾三郎が開発した「座卓」から生まれた

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 環八通り沿いにある家具・生活雑貨のデザインセレクトショップ「D&DEPARTMENT TOKYO」(世田谷区奥沢8、TEL 03-5752-0120)で現在、山形の老舗家具メーカー「天童木工」のものづくりを紹介する企画展「座卓からうまれたテーブル-天童木工のロングライフデザイン②-」が開かれている。

「テーブル」の脚と天板の接続部分(写真)は段差がなく、やさしい手触りが特長

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 1940年、山形県天童市で創業した天童木工は、木を曲げて形をつくる「成形合板(プライウッド)」技術を日本で初めて取り入れたことで知られ、1950年代から積極的に外部デザイナーとコラボレーションを行い、柳宗理や水之江忠臣、長大作らと名作家具を生み出してきた。

 同展で取り上げる「テーブル」の原型は1959年に発売され、今も全国の旅館で見ることができる同社製品「座卓」。開発したのは同社技術者・乾三郎(1911~1991年)で、「女性にも扱いやすい軽さ」「壁や畳を傷つけにくい設計」「隙間のない接合部」など随所に工夫を施し、その特長はそのままテーブルづくりにも受け継がれている。

 同テーブルは1965年発売後、文化や生活環境の変化に合わせたサイズやバリエーションが生まれたが、「今も中心となるデザインや作り方は変わっていない」という。展示では過去のカタログ用に撮影された写真をもとに同テーブルの歴史を振り返る。

 会場には床座り用の「サイドテーブル」から最大6人掛けの「ダイニングテーブル」まで12種類のテーブルを展示。シンプルなデザインで統一性があり、天板が薄く、脚が天板の端に取り付けられて足元の空間が広く取れることから、どんな椅子でも合わせやすいという。

 同テーブルの構造見本や職人たちが実際に使う道具、製作過程の様子を収めた映像なども公開している。成形合板ならではの独特のカーブは、野菜を回しながら薄く帯状に切る「かつらむき」の要領で切り出した厚さ1~1.5ミリの単板を何層にも貼り合わせ、型に入れて加圧成形することで生まれる。さらに膠(にかわ)接着剤が固まる前に『手』で行う微調整がポイントになるという。

 同社企画部企画課の斎藤慎也さんは「脚のカーブの美しさ、そして脚と天板との接続部分をぜひ見ていただきたい。(2つのパーツを)段差なくつなげるための『こだわり』が隠されている」と話す。

 ホームユース事業部の加藤朋哉さんは「このテーブルには『職人の思い』が込められている。技術者であった乾三郎が作り、作り手が考える『使いやすさ』が形になったもの」とも。

 営業時間は12時~20時。水曜定休。入場無料。9月1日まで。

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