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自由が丘で潮千穂さん版画展 「ハワイの海中」モチーフの大型版画も

潮千穂さんの版画展「Mauli Ola」から1階展示の様子

潮千穂さんの版画展「Mauli Ola」から1階展示の様子

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 自由が丘駅前のギャラリー「DIGINNER GALLERY WORKSHOP(ディギナー ギャラリー ワークショップ)」(目黒区自由が丘1、TEL 03-6421-1517)で現在、潮(うしお)千穂さんの版画展「Mauli Ola(マウリ・オラ)」が開かれている。

見る角度や光の違いで異なる色や模様が浮かび上がる「Mauli Ola」シリーズ作品(拡大画像)

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 もともとアーティストのミュージックビデオやライブなどのドキュメンタリーフィルム、音楽関連番組の映像ディレクター・制作プロデューサーとして活躍していた潮さんは2006年、趣味のフリーダイビングをきっかけにハワイに渡り、現在はホノルルを拠点に版画や写真などのプリントメディアを中心に創作活動を行うほか、写真家としては作家よしもとばななさんのエッセー本「ゆめみるハワイ」の作品を手掛けるなど注目を集めている。

 展名の「マウリ・オラ」は、ハワイ語で「命の息吹」「魂を癒やす」を意味する言葉という。潮さんがダイビングをしている時に感じたという「身体と海の境目が溶けてわからなくなる」自然との一体化を版画で表現した全12点を展示する。

 1階に展示した大型版画4点は、見る角度や光の違いによって異なる色や模様が立体的に浮かび上がる幻想的な作品。潮さんによれば「水深がそれほど深くなくとも息を止める行為は感覚を敏感にさせ、海の中では違うセンサーが働く感じがする」といい、その感覚で捉えた「変わり続けていく水」の色や様子を表現したという。

 版画は彫った版を使って何枚も刷るのが一般的だが、潮さんの場合は木質のファイバーボードに彫った版を10数点用意し、そこから何点か組み合わせてプレスする「マルチプル・レイヤー」と呼ぶ独自の技法。約半年の制作期間を経て「実際にプレスするまでわからない」一点物の作品ができあがる。

 2階の展示では、スクリーン印刷の技法で図柄となる型を多色刷した作品が並ぶ。「古代ハワイアンは『海は魂のすみか、この世とあの世をつなぐ入り口』という考え方があり、そこからインスピレーションを受けて『目に見えない扉』を表現した」という。

 「ハワイの大学で学び始めたころ、先生から『すべてのものはつながっている。自分と周りの環境をつなぐコネクションを取り戻して』と教えられ、毎日海に潜るうちにそれがわかってきた」といい、「作品の感じ方は見てくださる人に委ねるが、そこにある魂や記憶が自然と伝わることで癒やされたら」とも。

 営業時間は12時~20時(最終日は17時まで)。8月23日まで。

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