無農薬有機栽培の純オーガニックコットン製品と天然素材成分のせっけんの製造・販売を手がける「メイド・イン・アース」(世田谷区奥沢7)は2月1日より、日本綿100%の高級衣料ブランド「有機和綿十割 わ」の販売を始めた。
同社がこれまで手がけてきたオーガニックコットン製品の原料は、すべて海外での栽培によるもの。いずれ国産有機綿栽培の実現を考えていた同社が、絶滅の危機に瀕する日本在来種のワタ栽培と和綿文化保存の活動に取り組む鴨川和棉農園(千葉県鴨川市)の存在を知り、丸5年の歳月をかけて今回の製品化にこぎ着けた。
日本の綿栽培は、江戸時代から明治時代にかけてコメ栽培と並ぶ重要な農作物だったが、現在では世界の綿市場95%を占める「新大陸綿」などの輸入綿に押されて自給率はほぼ0%。日本全国に200種類以上存在していたとされる日本綿の在来種もその多くが絶滅し、同農園を主宰する田畑健さんによって日本各地から集められた約40種が残るのみという。
「有機和綿十割 わ」をプロデュースした同社・前田剛社長は「当初は、純国産綿の供給そのものに関心があったが、優れた和綿の文化や技術などを知るにつれて本格的な継承にも取り組んでいきたいとプロジェクトを立ち上げた。まずは『和綿』の存在を多くの人に知ってもらうための製品企画や、後継者育成のためのネットワーク作りに力を注いだ」と話す。
今回販売するのは、同ブランド第1弾となる「和綿マフラー」(茶・生成の2色=25,200円)。鴨川和棉農園ほかで栽培された和綿を使い、若手の紡ぎ手や織り手たちによる手仕事でひとつひとつ仕上げた限定138枚を用意した。「値段はやや高めだが、吸湿性・保温性の高い和綿をぜひ体験してほしい。伝統的な手紡ぎと手織りの製法で仕上げており、現代の綿製品とはひと味違うふんわりとした風合いも好評を得ている」(前田社長)という。
今後の展開については「和綿の生産量も限られているので企画段階中だが、ハンカチや小さな座布団といった製品化を考えている。手織り同様、ふんわりと柔らかく仕上がる純和紡績機・通称『ガラ紡』を使った織りなども手がけてみたい」(前田社長)とも。
販売は、同社直営店「ホーム・ルーム 自由が丘」(世田谷区奥沢7、TEL 0120-697-510)とウェブサイトで取り扱う。店舗営業時間は11時~19時。