現地の「土」を使った東海道風景画-学芸大学のギャラリーで

「鶴見川」/ 'Tsurumi River'(2009)
土、アクリル絵具、綿布、パネルほか
72.8×103cm
courtesy of YUKARI ART

「鶴見川」/ 'Tsurumi River'(2009) 土、アクリル絵具、綿布、パネルほか 72.8×103cm courtesy of YUKARI ART

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 学芸大学駅東口にあるギャラリー「YUKARI ART CONTEMPORARY」(目黒区鷹番2、TEL 03-3712-1383)で現在、南条嘉毅さんの個展「際景(けわけしき)~伊勢詣1~」が開催されている。

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 1977(昭和52)年生まれの南条さんは、本物の「土」を使ったユニークな方法で絵画を制作。まず南条さん本人が日本各地の街や山々の景色を歩いて取材し、対象となる風景が決まるとその場所の土を採取、素材に本物の土を使う独自の技法で風景画を描いていく。「単なる風景画ではなく、まるで風景の標本のようでもある」(同ギャラリー)作品は、日本の原風景を探るフィールドワークの要素も感じさせる。

 同ギャラリーで2回目の個展となる今回は、日本橋から伊勢神宮へと向かう「伊勢詣で」が舞台の新シリーズ作品計11点を展示。東京・日本橋を起点に東海道の真ん中にある宿場町、静岡県袋井までを南条さんが実際に歩いて制作した。

 南条さんは、自身の作品について「物同士の重なりから現れる際、場所が風景となる際、風景が更に風景へと変わる際、そこに新しい景色を見つけたい」と話す。

 会期中は、展示作品の手前の床に作品制作で使用した現地の土が撒かれ、来場者はその土の上を自由に歩くことができる。「絵を見るだけでなく、会場からも気配を感じていただけたら」(南条さん)とも。 

 営業時間は、木曜~土曜=11時~19時、水曜=事前予約制(最終日は17時まで)。日曜~火曜休廊。1月23日まで。

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