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自由が丘で「競走馬」を描いた作品展 現代美術作家・黒沼真由美さん個展

黒沼真由美さん個展「Grade Equus March」から「ホクトベガと輝ける牝馬たち」(油絵、W1620×H1118ミリ)

黒沼真由美さん個展「Grade Equus March」から「ホクトベガと輝ける牝馬たち」(油絵、W1620×H1118ミリ)

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 自由が丘駅前のギャラリー「DIGINNER(ディギナー) GALLERY WORKSHOP」(目黒区自由が丘1、TEL 03-6421-1517)で現在、現代美術作家・黒沼真由美さんの個展「Grade Equus March(グレード・エクウス・マーチ)」が開かれている。

黒沼さんが描いた名馬をモチーフにした「WHYTROPHY×黒沼真由美」限定ロゼット

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 千葉県生まれの黒沼さんは東京芸術大学大学院美術研究科油画技法材料研究室修了後、しばらく作家活動から遠ざかっていたが、約15年前に目にした寄生虫・サナダムシの標本の美しさに感動して創作活動を再開。寄生虫や海の生物などをモチーフに、複雑な体の構造をレース編みで忠実に再現した作品は昨年、同ギャラリーで開催した個展でも話題を集めた。

 今回発表するのは、主に「競走馬」をモチーフにした油画、ドローイング、版画など約20点。「脊椎動物の中では『馬』が一番好き」と話す黒沼さん。きっかけは自宅でたまたま見たテレビの競馬中継で、馬の美しさだけでなく、中央競馬クラシック三冠馬として当時注目を集めていたスターシービー、シンボリルドルフのレースに触れて「競馬ファンやマスコミの盛り上がりも面白いなと感じた」と振り返る。

 一般的に競走馬を描いた絵は、その馬を写実的に捉えた肖像画のような作品が多いが、黒沼さんによれば「故障やけがで短い命を終えるといった側面は全く出さずに馬をたたえる作品は、現代美術の観点から見ると『絵はきれいだけれど何が面白いの?』と思いがち」という。「競走馬が好きで現代美術もやっている人間が作った作品を、競馬の知識のない現代美術愛好家が見たらどう思うか。それを今回は実験として提示してみたい」とも。

 作品対象を解剖学的・機能的に分析して作品に反映する黒沼さんならではの作品「人馬一体」シリーズは、「もし半身半馬の人がレースに出られるとしたら」という仮定を可視化したもの。「馬は頭・首を重心とした振り子運動で推進力を出すため、ゴール前では首が前に出て、騎手自身も押し込む感じになる。そんな馬と騎手のさまざまな瞬間で生まれる『人馬一体』の様子を描いた」と話す。

 そのほか、「砂の女王」として愛されたホクトベガの力強い馬体が目を引く大作「ホクトベガと輝ける牝馬たち」、長年競馬を愛してきた黒沼さんにとっての最強馬がふと見せた一瞬を描いた「2011年有馬記念 表彰式を待つオルフェーヴル」など。併せて、ロゼット(リボン勲章)の専門ブランド「WHYTROPHY」と黒沼さんの作品がコラボした限定ロゼット(3,000円、税別)も販売する。

 営業時間は12時~20時(最終日は17時まで)。9月25日休廊、10月1日まで。

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