本物の「土」を使った富士山風景画展-学芸大学のギャラリーで

「富士山図」(2008年) 南条嘉毅
素材:土・アクリル絵具・綿布ほか
courtesy of the artist & YUKARI ART CONTEMPORARY

「富士山図」(2008年) 南条嘉毅 素材:土・アクリル絵具・綿布ほか courtesy of the artist & YUKARI ART CONTEMPORARY

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 学芸大学駅東口エリアにあるギャラリー「YUKARI ART CONTEMPORARY」(目黒区鷹番2、TEL 03-3712-1383)で、南条嘉毅(なんじょうよしたか)さんの個展「富士登山」が開催されている。

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 1970年代以降に生まれた新進気鋭の若手作家たちの作品を、月替わりで紹介する同ギャラリー。今月は、本物の「土」を使ったユニークな方法で制作する南条さんの風景画作品を取り上げている。

 作品制作は、まず南条さんが日本各地の風景や自然を自ら巡り歩くところからスタートする。作品のモチーフが決まると、その土地で採取してきた本物の土を素材にして風景画を描いていく。土と似たものとして日本画材料として使われる岩絵の具などがあるが、素材を自ら採取するという意外性は、日本の原風景を探るフィールドワークの要素も感じさせる。

 展示作品は、古来から多くの芸術家が描いてきた「富士山」をテーマにした絵画全7点。しかし富士山の全景を描いたのは、同展メーン作品「富士山図(写真)」のみで、残りの作品はすべて富士山で見たさまざまな光景が描かれている。駿河湾を望む田子の浦からスタートして、富士宮、山麓の樹海、富士宮口、8合目にある富士山本宮浅間大社、頂上から剣ヶ峰まで、小は12センチ×12センチから大は260センチ×163センチまでのキャンバスに大胆に表現した。

 「作品は単なる風景描写ではなく、作家の視点で大胆に、時にアンバランスなほどにさまざまな要素を削りとって描かれている。さらに、採取してきた本物の『土』をキャンバス上に重ね合わせることで、1つの画面に再構築された要素はまるで標本箱のように壁に飾られることになる」(同ギャラリー)。

 営業時間は、水曜~金曜=11時~19時、土曜=11時~20時。最終日は18時まで。日曜~火曜休廊。4月26日まで。

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