NTTとNTTデータが11月11日、地域活性アプリ「みんなのスマートシティ(以下みんスマ)」の実証実験を自由が丘駅周辺地区で始めた。
「みんスマ」は、地域住民や生活者、店舗、企業、自治体など「地域に関わる人々」をつなぎ、「地域やまちへの思いによる発信や行動をまちづくりに生かす」アプリとして両社が連携して開発した。まちに関する発信行動を可視化、共有することで地域主体の課題解決を支援・加速させ、「みんなの力で課題を解決する」持続的なまちづくりの実現を目指すという。
NTT・新ビジネス推進室担当課長の和田真一さんは「みんスマは、自分なりのまちのお薦めや気になる不安全を、手軽にシェアできるアプリ」と紹介。アプリ内には、地域やまちに合わせたさまざまなミニアプリを作ることができるという。「いろいろな投稿を集め、それをかなえるミニアプリを増やす、という盛り上げ方を考えている」とも。
今回の実証実験では「まちのトピック(まちトピ)」「まちのインフラ点検(まちフラ)」の2つのミニアプリを設定。「まちトピ」は、利用者が知るまちの「お薦め」を写真と共にマップ上に投稿できるもので、他の利用者の投稿を見て共感したり、発見や新情報を交換し合ったりすることで、まちや暮らしを楽しむことができる。併せて、ローカルニュースを配信する自由が丘経済新聞、目黒経済新聞(以上、みんなの経済新聞ネットワーク)の最新ニュースも、マップ上の位置情報と連動して掲載する。
「まちフラ」は、道路や公園などのインフラの老朽化やまちの不安全など、利用者が気になったことや気付いたことを写真と共に報告できるもの。他の利用者の報告を見て同意したり、その対応や対策を相談し合ったりすることでまちや暮らしの安心安全を目指す。
「みんスマ」の共通機能として、利用者のアプリを通じたまちへの貢献度を数値化した「シビックプライド」を用意。決められた貢献行動を行うごとにポイントが蓄積され、「Lv.(レベル)」が上がる。この数値を使ったポイント交換など、さまざまな機能を今後実装する予定だという。
今回の実験の対象は、自由が丘駅周辺地区の住民、生活者、従業員、職員など。使い方は、専用アプリをスマートフォンにダウンロードして登録する。「まずは気軽に実証に参加して楽しんでもらい、みんなで良いアプリ、仕組みにしていきたい」(和田さん)と期待を込める。
NTTとNTTデータは、今回の実証実験で得られた成果を基に2022年度中の商用サービス開始を目指しており、「みんスマ」に関心のある地域関係者や企業、自治体からの参加を募るという。
実証実験は12月17日まで。アプリは、アプリストアから「みんなのスマートシティ」で検索できる。