東急は2月1日から、ITエンジニアなどのテック人材向けコミュニティー型賃貸住宅と飲食店で構成する複合ビル「arble(アーブル)自由が丘」(目黒区緑が丘2)を順次開業する。
【写真】軒天を木で仕上げる「arble(アーブル)自由が丘」1階部分イメージ
同社によれば、同物件は「これまで培ってきたまちづくりのノウハウやグループ各社を含めた事業領域の広さを生かし、土地オーナーの資産価値向上・課題解決に向けた施策をワンストップで提案する、資産活用コンサルティングを行ったもの」だという。
ビルは地上3階建て。名称の「アーブル」はフランス語で「樹木」を意味する。元材木商の土地オーナーの木への思いを込めた命名で、さらにCO2排出量削減による環境負荷の低減を目指して1階は木の軒天、2・3階は構造を木造とし、外装の全面にも木材を使っている。
1階の商業区画には「食を通じたサステナブルな社会への貢献」に取り組む飲食店が出店。コーヒーかすを培養土にアップサイクルした商品の製造・販売にも取り組むコーヒーショップ「ONIBUS COFFEE(オニバスコーヒー)」(目黒区)、自然派ワインを専門に取り扱い、生産者と購入者をつなぐイベントやセミナーも開催するワインショップ「VITRUS(ウィルトス)」(渋谷区)、食料品を製造・販売する老舗ブランドが手掛ける初の飲食店舗の計3店舗で構成。3月から順次開業する。
2・3階の住宅区画は、ITエンジニアをはじめとしたテック人材に特化したコミュニティー型賃貸住宅「TECH RESIDENCE(テックレジデンス)自由が丘」が2月1日にオープンした。
同住宅を運営するCEspace(港区)は、人材派遣のウィルグループのグループ会社で、「テックレジデンス」シリーズのほか、ワーケーションサービス「テクレジベース」の企画・運営を手掛ける。テックレジデンスは恵比寿、二子玉川など都内に4拠点、新潟に1拠点あり、自由が丘は6拠点目となる。
部屋のタイプと居室数は、シェアハウス型ルーム17室、マンション型ルーム5室の計22室。賃料は月額9万4,000円~12万6,000円(共益費別)。特徴として、2階共有ラウンジにはワークスペースやディスプレーを備えるほか、「テックレジデンスシリーズでは初」(同社)というカフェ併設物件となる。
合わせて、入居者は同社のワーケーションサービスも利用できることから「新型コロナウイルス禍でテレワークが浸透したこともあり、入居を決めた皆さんからは『ワーケーションサービスに引かれた』との声も頂いている」(同社担当者)という。
東急は「東急線沿線の重点エリアの一つである自由が丘エリアにおいて、テック領域を成長させるコミュニティーが生まれる拠点づくりに取り組む」といい、5月末に全館開業を予定している。