自由が丘駅前の書店「不二屋書店」(目黒区自由が丘2、03-3718-5311)に描かれた壁画が現在、話題となっている。
壁画は、2月22日の「猫の日」に合わせ、猫をテーマにしたイベント「自由が丘ねこまつり」(2月25日・26日)の開催を記念して描かれた。手がけたのは、日本人グラフィティアーティストHYKRX(ヒャクラク)さん。1990(平成2)年に活動を始め、手作業で切り抜いた型紙にスプレーを吹き付ける「ステンシル」の技法で、ビル外壁やシャッターなどのミューラルアート(壁画)からキャンバスまで幅広く作品を発表している。
自由が丘商店街で地域猫活動に取り組む「自由が丘ニャンとかしよう会」事務局代表で、自由が丘ねこまつりの企画・運営にも携わる同店店主の門坂直美さんによれば、「自由が丘の地域猫活動発祥の地として、壁面に猫にまつわるアート作品を描いてもらう計画が昨年秋に持ち上がった」という。そのコンセプトに合うアーティストとして、関係者を介して紹介してもらったのがHYKRXさんだった。
制作は2月18日の日中に行われ、現場に足場を組み、HYKRXさんが約4時間かけて壁画を完成させた。雲に乗った子どもが釣ざおでハートを釣り上げるのを猫が見ている様子を描いた。「見る人それぞれの解釈で楽しんでもらえるように」と、作品名はあえて付けなかった。
「街を行き交う人が作品に注目してくれたら」と関係者が願っていたところ、作品を撮った写真とともに「自由が丘にバンクシー?」などの投稿が同日からSNSで拡散され話題に。「店に『あの壁画はバンクシーの作品か?』という問い合わせが相次いで驚いた。制作手法が同じなので、バンクシーに似ているのかも」と門坂さん。
自由が丘ねこまつりは2月のイベントを皮切りに、1年かけて自由が丘商店街の各所で展開する予定。「今回の作品をきっかけに、自由が丘の街なかに新しいアートが生まれ、それらを巡回するような動きが出てくれば」とも。