
フランス人画家ミルティーユ・ティバイレンさんの作品展「METANOïA(メタノイア)」が現在、自由が丘駅前のギャラリー「DIGINNER GALLERY (ディギナー・ギャラリー)」(目黒区自由が丘1、TEL 03-6421-1517)で開かれている。
フランス生まれのティバイレンさんは、南米ボリビアやアメリカなどで育った。仏ダンケルのエコール・デ・ボザール(パリ国立美術学校)卒業後、マルセイユの同校での美術教育を経て、2006年にタイへ移住。キュレーター兼ギャラリーオーナーを経て、現在はタイを拠点に自身の創作活動に専念している。
日本で初の個展となる同展は、ティバイレンさんがインターネット上で収集した戦争や自然災害の写真からインスピレーションを得て制作したミニチュア風景画33点を展示する。
展名の「メタノイア」は古典ギリシャ語キリスト教神学で「心を入れ替え、救済を求める複雑な旅路」を意味し、ティバイレンさんの作品世界にはキリスト教の殉教伝説が深く根付いているという。
同ギャラリー店主の鈴木宏信さんによれば、「シンプルな背景、中央に人物を配置する構図や技法は、ルネサンス絵画の巨匠たちにインスピレーションを受けたもの。テンペラで描かれた木板画や、銀・金を使った背景はその象徴」という。
作品は最小で12センチ四方、最大で40センチ× 25センチ大の古い木材に描かれている。静謐(せいひつ)な情景を捉えた作品の中に、現代の戦争による爆発を捉えたものや、人類が存在する以前に起こった自然災害の痕跡を描いたものも見られる。
「光を放つような顔料を使い、これらの災厄に夢幻的な雰囲気を与えている。彼女の多くの作品と同様、当展でも『不気味な異質さ』という概念と向き合っている」とも。
開催時間は11時~19時(最終日は17時まで)。月曜定休。今月20日まで。