すずめのお宿緑地公園(目黒区碑文谷3、TEL 03-3714-8882)内にある「目黒区古民家」に現在、恒例の七夕飾りがお目見えしている。
同館は、江戸時代に現在の環七通りの南側全域に位置した旧「衾(ふすま)村」の旧家で、村の要職「年寄(としより)」を務めた旧栗山家主屋を移築復元したもの。目黒区がかつて昭和初期前後までタケノコの特産地として知られる農村だった様子を今に伝える建造物として、区指定文化財に指定されている。
一般家庭では行うことが少なくなった年中行事への理解を含めてもらおうと、同施設では1986年より毎年七夕飾りを実施。童謡「たなばたさま」の歌詞と同じく縁側の軒端(のきば)に笹2本を設置して来園者向けに開放、七夕当日までは縁側部分に願い事用の短冊や折り紙、はさみなどを用意し、座敷や広間に上がって飾り作りも楽しめる。
同館を管理する目黒区めぐろ歴史資料館(中目黒3)の武藤健作さんは「最近の住宅事情では自宅に笹を立てることも難しくなっているだけに、ここへ来て親子で教え合いながら七夕飾り作りを楽しむ姿が見られる。こうした年中行事を通して、日本人ならではの季節への思いを感じ取ってもらえたら」と話す。
同館では、七夕のほか正月飾りや3月・5月の節句飾り、十五夜のお月見などの年中行事再現を行っている。
公開時間は9時30分~16時30分。飾り付けは今月7日まで、設置は同14日までを予定。月曜休館。入場無料。