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自由が丘のギャラリーで作家3人展-大正・昭和の「抒情画」テーマに

藤井さんが手掛けた訪問着「天の河に架かる虹の橋」と、その世界を書画にした夏生さんによる対の軸物

藤井さんが手掛けた訪問着「天の河に架かる虹の橋」と、その世界を書画にした夏生さんによる対の軸物

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 目黒通り中根町交差点近くにある「ミリオンアートスペース 八雲ギャラリー」(目黒区八雲3、TEL 03-5731-8696)で現在、染色・書画・漫画の作家グループ展「虹のかけら」が開かれている。

女性の手の部分に花を生けることで季節や色の移ろいも表現する、佐佐木あつしさんの作品「花一輪」

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 同ギャラリーはこれまで、画家としても知られる歌手の八代亜紀さん、陶芸家・増田登さん夫妻のプライベートギャラリーとして運営してきたが、今年から展示企画の一般公募をスタート。同展はその第1回目となる。

 大正から昭和初期にかけての「大正ロマン」文化で一大ブームを巻き起こしたのが、独特の情感をたたえた女性を描いた「抒情画(じょじょうが)」。同展はその趣に魅了された染織家の藤井裕也さん、書画家の夏生(なつき)さん、漫画家の佐佐木あつしさんによるオリジナル作品を展示する。

 展名「虹のかけら」は、竹久夢二らと共に抒情画全盛時代を築いた人気挿絵画家で詩人の蕗谷虹児(ふきや・こうじ)(1898~1979年)の名から取ったもの。藤井さんが旅先で偶然出会った蕗谷の作品に触発されたのをきっかけに、ジャンルを超えたアーティスト3人による「現代の抒情画」作品が生まれた。

 京都で絞り染色を手掛ける藤井さんの作品は、蕗谷作品の世界観を表現した着物など約20点を展示。中でも、雑誌の表紙絵「お留守居『令女界』の表紙」(1922年)で描かれた女性の着物をオマージュ復元した「ミニチュアキモノ」作品は明るい黄色地に星を染めたもので、西洋文化が浸透していく当時の様子もうかがえる。

 挿絵や題字の揮毫(きごう)、パフォーマンスなど幅広く活動する夏生さんは、抒情画に描かれている女性たちを「ファッションに目覚めるころ」と捉え、水墨画やイラスト風のものなどさまざまな表現方法で女性を描いたストーリー性の高い書画作品33点を展示。

 「抒情画は漫画の原点」という佐佐木さんは、自身の作品の少女キャラ・セルンちゃんをはじめ、さまざまな女性を描いた約20点を展示。画材にも工夫を凝らし、女性が持つ輝きをクリスタルビーズやマニキュアなども使って表現するなど、奥行きと立体感のある作品に仕上げた。

 3人によるコラボ作品は、藤井さんが手掛けた訪問着「天の河に架かる虹の橋」の世界を夏生さんが書画にした対の軸物や、藤井さんデザインの着物を着た佐々木さんのキャラ・セルンちゃんのイラストに夏生さんが揮毫した「日本の季節二十四節気七十二候 虹始見(にじはじめてあらわる)」なども。「抒情画が生まれて約100年。今後100年に向けて新たに発信していきたい」(藤井さん)。

 そのほか特別出品として、「くるくるクルミちゃん」(1938年)で少女漫画の先駆けと言われる叙情画家・松本かつぢ(1904~1986年)の貴重な原画などを展示。松本の妹・龍子さんが蕗谷の妻という縁で、今回の作品展示が実現したという。

 開催時間は11時~18時(最終日は16時まで)。着物姿で3人が在廊予定。2月1日まで。 

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