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都立大の絵本専門店が「新しい食育」絵本-英語併記で外国人読者も

(後列左から)「すきやき はらぺこ印 2」を手掛けた、はらぺこめがね・原田しんやさんと轟(とどろき)ロックさん、絵本を手にする店主の石井彩さん

(後列左から)「すきやき はらぺこ印 2」を手掛けた、はらぺこめがね・原田しんやさんと轟(とどろき)ロックさん、絵本を手にする店主の石井彩さん

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 東横線・都立大学駅前の絵本専門店「ニジノ絵本屋」(目黒区八雲1、TEL 080-6700-2971)が2月、昨年初出版した絵本シリーズ「はらぺこ印」の第2弾として「すきやき はらぺこ印2」を出版した。

おいしそうな肉が描かれた、絵本専門店発インディーズ絵本の第2弾「すきやき はらぺこ印 2」表紙

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 同書は、音楽業界のインディーズレーベル同様、大手出版社や取次会社を通さない直接取引による「インディーズ」絵本。同店の地元エリアを拠点に活動する夫婦イラストユニット・はらぺこめがねと共同で昨年8月、第1弾「はらぺこ印 フルーツポンチ1」を制作・出版した。

 「私の中で、子どもや大人といった読者層のターゲットを絞りたくなかった。さらに取り扱ってくれる店主の顔が見えることで、つながりや安心感も生まれる」(店主の石井彩さん)との思いから、直販ルートにこだわった。本を気に入れば、雑貨店やカフェなどでも販売できる。第1弾「フルーツポンチ」は現在までに1000部近く売れ、重版も決定。続く第2弾「すきやき」も好調に売り上げを伸ばしている。

 主人公「はらぺ子ちゃん」がさまざまな食材に出合い、それらを使って料理を完成させるストーリー。その過程がリアルでカラフルな絵と、リズミカルな擬音語で表現されている。特に今回の「すきやき」では、外国人の利用客も多い同店の発案で、本文に「英語表記」を併記した。

 「海外でも身近に感じてもらえるよう表記だけでなく、今回は題材も日本食としてよく知られる『スキヤキ』を選んだ。昭和の日本では家族で食卓を囲む際の特別なメニューであったこと、食としての歴史や文化も興味深かったことも大きい」と石井さん。

 宇宙を思わせる漆黒の空間に牛肉や豆腐、しらたきなどがおいしそうに描かれ、すき焼きを食べているような空想の世界が広がる。「食べることを楽しもう、食べるコミュニケーションを広げよう、そんな『新しい食育』の形としてこのシリーズを続けていけたら」とも。

 296ミリ×148ミリの上製本で全24ページ。価格は1,890円。同店ほか、都立大学・自由が丘エリアの雑貨店、同店ネットショップ「ニジノ宅配便」で販売している。

 現在、同書に使われた原画展「はらぺこめがね展 絵本編2」も同時開催。営業時間・定休日は同店サイトで確認できる。

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