日本製雑貨とアパレルのセレクトショップ「katakana(カタカナ)自由が丘店」(世田谷区奥沢5、TEL 03-5731-0919)に11月5日、高倉工芸(岩手県)のポップアップストア「南部箒(ほうき)」が期間限定オープンする。
高倉工芸の人気商品「小箒」(写真)。ほうき草を締め上げる工程は技術が必要だという
岩手県北部にある九戸村で作られる伝統工芸品「南部箒」。同村のある南部地方の農家では、農閑期などに生活道具を手作りする風習があり、その技術が南部箒の基になっているという。同社は材料となるほうき草を無農薬で栽培し、従来の箒作りに改良を加えて工芸品としての完成度を高めたことで人気を集め、ネット販売は「2~3年待ち」とまでいわれている。
通常のほうきと比べて約10倍量のほうき草を使うという南部箒の大きな特徴は、穂先部分に見られる強い「ちぢれ」。このちぢれが、畳やフローリングのほこりだけでなく、衣類やカーペットに絡みついた毛、スーツや着物のほこりまで絡め取ることができる。
数年前に同社商品の一つ「洋服箒 ブルーム」と出合い、「今では欠かせない道具になった」と話す同店店主の河野純一さん。手首のスナップを利かせて洋服にほうきをかけると、目には見えにくいほこりが取れ、毛糸など生地の目がきれいに整っていくのが分かるという。
手間暇かかる製造工程で生産数に限りがあることから、これまで同店でまとまった数を販売することが難しかったが、今回は同社・高倉清勝社長も来店して即売する。ラインアップは、一番人気という「小箒」(4種=2万円~10万円)、「洋服箒 ブルーム」(4種=1万5,000円~3万5,000円)、柄の長い「長箒」(6種=3万円~50万円)、「外用箒」(8,000円)(全て税別)。
1本数万円もすることから、河野さんも「最初はあまりの値段の高さに驚いたほど(笑)。高級掃除機と同じような値段だが、こちらは20年以上使えると聞いて購入した」という。「壁などにこの南部箒が掛けてあるだけでも美しく、これは『用の美』だと思う。次世代にぜひ残してもらいたいほうきなので、まずは皆さんにも見て触れてもらえれば」とも。
営業時間は11時~20時。11月17日まで。高倉社長の来店は11月5日・6日。