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自由が丘の街歩きに「お困り解決MAP」 街案内人の地元大学生が作成

セザンジュ・スタッフが作った「お困り解決MAP」(写真はスマートフォンで見た画面)

セザンジュ・スタッフが作った「お困り解決MAP」(写真はスマートフォンで見た画面)

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 自由が丘の街を巡回して来街者へ道案内などを行う街案内人「セザンジュ」が、子ども連れの保護者や車いす利用者などが安心して利用できる自由が丘駅周辺の施設や店舗の情報をまとめた「お困り解決MAP」を作った。

毎週日曜・祝日やイベント時に街案内を行う「セザンジュ」の活動の様子

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 セザンジュは2010年、自由が丘商店街振興組合と産業能率大学の提携事業として活動を開始。現在約80人の同大生がスタッフとして在籍し、毎週日曜・祝日の歩行者天国実施時間帯に制服姿で駅周辺に立ち、事故を未然に防ぐ「見せる安全」を目的とした街中巡回、人気スポットへの道案内を行うほか、応急手当にも対応できるよう上級救命技能認定も取得している。

 セザンジュのスタッフは、来街者から「よくある質問」をまとめたデータファイルを各自持ち、道を知らない人には常備する白地図に道順を書き込んで手渡すなど街案内のサービス向上に努めてきたが、「セザンジュが活動していない平日に街へ来た人たちにわかり分かりやすいマップを作れないか」「小さい子連れの方や車いすの方などの困り事を解決したい」という声が学生たちから上がり、昨年2月にマップ制作のワークショップが立ち上がった。

 マップを作るための調査では、自由が丘駅から240メートル圏内にある施設や店舗の「入り口の段差」「通路の広さ」「テーブル席の椅子は可動か」などのバリアフリー対応をはじめ、「アレルギー対応メニューの用意」「外国人客への対応」など多岐にわたる調査項目を独自に設定。街案内の活動を通じて蓄積した情報に加え、授業の空き時間や放課後などを使って実際に施設や店舗を訪ね、車いすなども使いながら地道な現地調査を約3カ月行って仕上げた。

 「お困り解決MAP」は一般的な冊子ではなく、昨年10月にリニューアルした自由が丘商店街振興組合のウェブサイト「自由が丘オフィシャルガイドウェブ」のコンテンツとして提供しているのが特徴。グーグルマップのシステムを使ってオープンデータ化した。

 ウェブでマップを提供するに理由について、セザンジュ・スタッフの高本唯人さん(3年)は「取り出して広げて見る冊子型マップでは、子ども連れのお母さんには使いづらいと考えた。さらに自由が丘は店舗の入れ代わりが多く、冊子型だと情報がすぐに更新にできない。それらが解決でき、利用者にも浸透しやすいのがグーグルマップだった」と話す。

 現在公開している第1弾のマップでは「おむつ替えができる」「授乳室がある」「トイレがある」「AEDがある」の4項目のみを表示しているが、今後は調査対象エリアを駅から300メートル圏内に広げ、残りの調査項目についても順次マップに反映する予定だという。

 スタッフの秋本菜々子さん(2年)は「街へ来た方には私たちセザンジュが直接ご案内できるが、ウェブのマップがあれば前もって自宅でも街について調べていただける。マップを見て、自由が丘へ行こうと思ってほしい」と言い、ワークショップで中心となってマップ制作を進めてきた門屋千咲希さん(4年)は「自由が丘に初めて来た方に、このマップが心強い存在として使っていただけるようになれば」と期待を込める。

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