東横線・学芸大学駅前の出版社「ロクリン社」(目黒区鷹番3)が3月10日、同社の人気児童書「こびとづかん」公式サイトでデジタル書籍「こびと大図鑑」の無料公開を始めた。
イラストレーターなばたとしたかさんの絵本「こびとづかん」は2006(平成18)年に出版され、シリーズ8冊で累計270万部を超える人気児童書シリーズ。主人公の「ぼく」が見つけた、昆虫でも植物でもない不思議な生き物「コビト」を描いたもので、その全身タイツを着たような「キモカワイイ」キャラクターが子どもを中心に幅広い世代から人気を集めている。
公開した「こびと大図鑑」は2015(平成27)年に出版した大型図鑑で、総勢240種・266体のこびとを掲載。「野原、畑や田んぼ、川や海、人の近くにまで、ありとあらゆる場所に生息するコビトたちが、どんな姿形をし、どんな習性があり、どんな暮らしをしているかに迫る」内容となっている。
同社広報担当の光永映子さんによれば、きっかけとなったのが、「こびと大図鑑」に先駆け、同社が3月3日に期間限定で公開した3D塗り絵アプリ「こびとづかん ぬりえAR『カクレモモジリ』」。イベント会場で限定配布するアプリとして開発を進めていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため全国で休校・休園が広がる中、「自宅で楽しんでもらえたら」と公開した。すると、実際にアプリを楽しんだファンから、SNSを通じて「楽しかった」「癒やされた」というお礼のメッセージが寄せられたという。
「私たちにもっとできることはないか」と考えた光永さんは、SNS上で「こびと大図鑑」に載っているコビトを紹介する企画「#1日1コビト」に目を付けた。「『もっとコビトが知りたい』とのリクエストが寄せられていたので、『こびと大図鑑』ならば内容的にも読み応えがあって楽しんでいただけるのでは、となばたさんと相談して公開を決めた」という。
「普段とは異なる生活の中で、落ち着かない気持ちの方も多いと思う。『こびと図鑑』が少しでも気分転換になればと願うとともに、このような状況が少しでも早く落ち着き、皆さんがまた安心して楽しい学校・園生活を送ることができるよう祈るばかり」とも。
無料配信期間は3月31日までを予定。