イデーショップ自由が丘店(目黒区自由が丘2、TEL 03-5701-7555)のギャラリーで8月7日より、「特集展示:村野藤吾」が開催される。
同展は、昨年より同社が取り組んできた1950~1980年代のモダンデザインを検証するプロジェクト「ジャパニーズ・モダン・マスター」の一環として、リプロダクションを進める村野氏の家具とその背景を紹介するもの。
村野氏(1891-1984)は、戦前・戦後を通して数多くの名建築を残した近代日本を代表するモダニズムの建築家。建築のプロジェクトに合わせて家具や照明のデザインも自身が手がけるなど、細部まで考え抜かれた空間プロデュースでも知られる。
同展では、村野氏が1960年に都ホテル(現ウェスティン都ホテル京都)のために手がけたラウンジチェアの復刻商品「TMD-MIYAKO SO1」(252,000円)や、1966年に千代田生命本社ビル(現目黒区役所)の役員室に設置したソファの復刻「TMD-CHIYODA SO1」(294,000円)など全10点の復刻家具を展示。いずれも特定の空間のためにデザインされたものだが、「それが不思議と普遍的な魅力を携えている」(同社)と評価する。
会場には、当時の日本の近代建築やものづくりに対する村野氏のインタビューやコメントの中から印象的な言葉を展示し、村野氏の思想とその世界を紹介。そのほか同社が現在復刻を検討中で、1978年に箱根プリンスホテル(現 ザ・プリンス箱根)のために手がけた「スワンチェア」のオリジナル&プロトタイプ展示や、村野氏の手描きデッサンやコンサート鑑賞の様子を描いたスケッチをモチーフにした「ポストカード」(5枚セット、2種類=各800円)も取り扱う。
村野氏の復刻作品について同展担当者は「先達のデザインとものづくりに対する姿勢の深層を流れる精神に迫ることで、私たちが忘れてはならない、現代にこそ必要な思想や理念を、皆さんにも感じていただけるに違いないと確信している」と話す。
期間中、先着50人に松下電工汐留ミュージアム(港区)で平行開催中の企画展「村野藤吾 建築とインテリア」の招待券を進呈する。
営業時間は11時~20時。入場無料。9月10日まで。