「三郎さんの部屋」-昭和の香り漂う画家・宮本三郎の書斎を再現

「三郎さんの部屋」は画家・宮本三郎が活躍した昭和20~30年代を感じさせる書籍、家具、雑貨を集めて書斎レイアウトを再現した

「三郎さんの部屋」は画家・宮本三郎が活躍した昭和20~30年代を感じさせる書籍、家具、雑貨を集めて書斎レイアウトを再現した

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 世田谷美術館分館宮本三郎記念美術館(世田谷区奥沢5、TEL 03-5483-3836)で2月24日、特別展示販売「三郎さんの部屋」が始まった。

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 同展は、現在同館で開催中の「画家の書棚にみる 昭和アート・ブック史」展の一環として企画されたもの。画家・宮本三郎(1905~1974)を知らない若い世代に当時の空気を感じてもらいたいと、若手のクリエーターやショップオーナーが週替わりで宮本三郎をキーワードにした展示やワークショップを行う。

 世田谷美術館学芸員で同展担当の高嶋雄一郎さんは「本展のテーマ『本』は、字を追って読むだけでなく、絵を見る感覚でその時代や質感を楽しむことができるもの。1950~60年代に大衆的な画家として親しまれていた宮本も、小説や雑誌など数多くの装丁を手掛けて時代を象徴する作品を残している。今回の企画は、そうした書籍の魅力を伝えてくれるであろう30代前後の人たちにお声掛けをして、今までにないアプローチで宮本三郎を見てもらえるものにした」と話す。

 現在開催中の「三郎さんの部屋」は、同館1階の展示スペース部分に1950年代の宮本三郎をイメージした書斎を再現。ディスプレーは、販売吉祥寺にあるセレクト古書店「OLD / NEW SELECT BOOKSHOP 百年」、アンティークショップ「QUEEN'S HOTEL antiques」、ジャム販売「エバジャム」の3店が担当した。展示品はすべて販売も行う。

 展示を担当した「OLD / NEW SELECT BOOKSHOP 百年」オーナーの樽本樹廣さんは、「宮本三郎が生きていた昭和の音、におい、手触りを書籍や雑貨、食生活を通して想像してもらえたら」。同店からは、戦前のポストカード(500~1,000円)など珍しい出品もあり、「昔の風景や路面電車など、歴史の教科書からこぼれ落ちたリアルな昭和の側面を垣間見ることができる」とも。そのほか同展限定品として、宮本三郎の好物「ブドウ」を使ったジャム菓子「ジャムナッツ・バー」(9個=450円)も販売する。

 今後、製本を手掛ける「美篶堂(みすずどう)」(千代田区)によるワークショップ「文庫本を装丁する」(3月7日)、本展ポスターを手掛けた編集・デザイン会社「東京ピストル」と花屋「明るい部屋」(品川区)による展示販売「花と本」(同10日~15日)、手動式の活版印刷でミニブックを作る「オールライト工房」(大田区)のワークショップ「活版印刷を体験する」(同20日)を予定。ワークショップ申し込みは同館ホームページで受け付ける。

 開館時間は10時~18時。「三郎さんの部屋」展示販売は3月1日まで。観覧無料。本展「画家の書棚にみる-」展は3月22日まで。観覧料は一般200円。

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