東京工業大学百年記念館(目黒区大岡山2、TEL 03-5734-3340)で現在、特別展示「東工大で益子焼~知る・ふれる・つかう~」が開かれている。
出品作家15人によるカップ&ソーサー「益子のティーパーティー」コーナーの様子
益子焼で知られる栃木県益子町。同町に定住して民芸運動の中心を担った人間国宝の陶芸家・濱田庄司(1894~1978)、その弟子で同じく人間国宝の陶芸家・島岡達三(1919~2007)の両氏は、同大前身の東京高等工業学校窯業科の卒業生。その縁で同展が企画された。
昨年3月の東日本大震災で、両氏や現在同町で活動する陶芸家の作品、関連施設も被災した。復興支援を応援するため「益子と益子焼をより多くに人に体感していただきたい」と、現在同町で活動する気鋭の陶芸作家15人による作品約1000点を並べ、展示販売する。
益子焼は、自然に恵まれた同町で産出される芦沼石を原料とした茶色のうわぐすり「柿釉(かきゆう)」などが使われるが、調合や窯の種類によっても色や表情が異なるという。「益子はオープンな土地柄で、濱田や島岡に憧れ各地からやってきた陶芸家を受け入れた。益子焼にさまざまな技法や形が見られるのはそのため」と益子焼販売店協同組合の渡邉吉人さん。
作家ごとのコーナーにはつぼや土瓶、湯飲み茶わん、皿などを展示。作品は直接手に取って鑑賞できるようにした。そのほか、同展企画コーナー「益子のティーパーティー」で取り扱う各作家のカップ&ソーサーは、会場内の喫茶コーナー(有料)で実際に使うこともできる。
「昔からの伝統を受け継いた作品から気軽に楽しんでいただける現代的なものまで、益子焼の豊かな多様性を見ていただきたい。町には現在約400の窯元があるので、今回の展示をきっかけに町へも足を運んでいただけたら」とも。
27日・28日は、参加陶芸家の指導による「益子の陶器作り体験」(14時~)も開講。定員約10人で、各日12時30分から先着順で受け付ける。
開催時間は10時~17時。入場無料。10月28日まで。