自由が丘の期間限定アートスペース「+ラボ」(目黒区自由が丘1)で4月15日、ワークショップイベント「野生のシャツに関するオープンラボラトリ」が開催される。
主催は「衣服生物学研究所」(狛江市)。「日本唯一の衣服生物学研究機関」として2008年に設立。衣服の起源の一つは「衣服生物」の存在にある、との謎の学説を提唱。「衣服生物学の進展を通して被服文化の向上を目指している」という。
同研究所所長代理の大江ようさんは1982(昭和57)年宮城県生まれ。桑沢デザイン研究所ドレスデザイン科を卒業後、2003年に衣服造形家の眞田岳彦さんに師事。同研究所名義で、アクシスギャラリー(港区)やクラスカ(目黒区)などのデザインエキシビションで研究を公開している。
同学説を楽しめるかどうかは各人次第だが、衣服に関するオリジナルストーリーは不思議で面白い。衣服の成り立ちや過程をユニークな視点で捉えることで「服を媒体とした物語を通して一般流通では目が届かない製作過程に関心を持っていただき、服がこれまでとは違って見えてきたらうれしい」(大江さん)という衣服への思いが込められている。
当日は、東京・狛江で収穫されたという衣服生物「野生のシャツ/monotropas」の標本を展示し、研究員による「養殖の野生のシャツ」加工過程をストーリー仕立てで紹介。
具体的には、原型となるマント形状の基本シャツに袖を付け、染め出し加工を行って一枚のシャツが出来るまでのプロセスを見せる。麻に似たシャリ感のある綿素材をセレクトし、草木染に多く用いられる媒染染料などを使って染め出していく。
「養殖の野生のシャツ」のセミオーダー(8,900円)も受け付ける。「ご希望の形状や色をお聞きするが、野生のシャツには鉱物の成分が含まれているのでどんな色が出るかわからない」(大江さん)と、あくまで謎の学説を主張する。
「皆さんが衣服生物に触れる機会は普段なかなかないと思う。ぜひこの機会に、うわさの衣服生物学を楽しんでもらいたい」とも。
開催時間は13時~21時。18時からはデザイナー/ディレクターの熊谷彰博さんを迎えて「野生のシャツ」シンポジウム、「日常に潜む野生」をテーマにしたトークイベントも開催。入場無料。