見る・遊ぶ

碑文谷で実験的インスタレーション展-鑑賞者の参加で作品変化

井口雄介さん個展「Stock Works.Ltd」インスタレーション展示の様子

井口雄介さん個展「Stock Works.Ltd」インスタレーション展示の様子

  • 0

  •  

 目黒通り・柿の木坂交差点「ダイエー碑文谷店」裏にある「RISE GALLERY(ライズ・ギャラリー)」(目黒区碑文谷4、TEL 03-6303-3986)で現在、アーティスト井口雄介さんの個展「Stock Works.Ltd」が開かれている。

株式のように作品全体の価格が変動するインスタレーション「Stacks Stocks」

[広告]

 同ギャラリーが注目する若手作家3人の作品展を1年間にわたって開催する、現代美術企画展シリーズ「Creativity continues 2013-2014」第2弾となる同展。これまで数々の屋外インスタレーションを発表してきた井口さんが、今回は限られた室内空間で「一般的な作品展示」とは異なる試みを展開している。

 1985(昭和60)年カナダ生まれの井口さんは2008年、武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。2010年同大造形研究科美術専攻彫刻コース修士課程修了、2013年3月に同大大学院博士後期課程作品制作研究領域博士号取得。主な受賞は、「Tokyo Midtown Art Award 2010」佳作賞、「六甲ミーツ・アート2012」奨励賞、「第16回岡本太郎現代芸術賞」(2013)入賞など。

 作品名「Stacks Stocks」は、建築学を学んだ井口さんならではの「建築的スケール」を用いた内容で、約300個の木製ユニットからから成るインスタレーション作品。作品の一部であるユニット単体を鑑賞者に販売(1ユニット=1,050円)し、株式会社で株が多く売れると会社の価値が上がるように、販売個数が一定数を超える度に作品全体の価格も上昇するシステムを設定した。

 もう一つの作品「The Right of Lights」は、縦5列×横10列に配置された50個の蛍光灯から成る。会期中、1日ごとに蛍光灯の点灯・点滅スイッチの権利を販売(1個=100円)し、指定当日の閉廊時間まで購入者の指示した照明内容で展示される。作品が変化していく様子は同ギャラリーのホームページでも見ることができる。

 「一般的な彫刻や絵画などの鑑賞とは異なる『鑑賞者参加型』の形態で、インスタレーションにこだわりを持つ彼ならではの作品になった。会期中に変化していく作品と展示空間を複数回見てもらえたら」と同ギャラリー。

 開催時間は12時~19時。月曜・火曜定休。10月20日まで。9月14日は井口さんが在廊、自身による作品解説「インスタレーション株式セミナー」(15時~、17時~)も開催する。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース