東横線の車窓から見える学大名物「屋上パフォーマンス」-今年で最後に

目の前を通過する東横線乗車客に歌のエールを送る「屋上パフォーマンス」平日朝8時から伊藤さんの姿が見られる

目の前を通過する東横線乗車客に歌のエールを送る「屋上パフォーマンス」平日朝8時から伊藤さんの姿が見られる

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 東急東横線・学芸大学駅を拠点に地域密着型ミュージシャンとして活動する伊藤清光さんが毎春期間限定で開催する「屋上パフォーマンス」が、今年もスタートした。

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 朝8時、通勤通学客を乗せた電車が東横線・学芸大学駅付近を走る。その乗車客の目に飛び込んでくるのは、線路脇の道路を挟んだビル屋上に立つ伊藤さんの姿だ。サンマがトレードマークのヘルメットにサングラス、赤いマントと白いパンツに身を包み、アコースティックギター片手にエルビス・プレスリーやビートルズなどのナンバーを歌う「屋上パフォーマンス」は、今年で10年目を迎えた。

 1959年生まれの伊藤さんは、東京日本橋にある呉服店勤務との二足のわらじで音楽活動を続けてきたが、その後渡米。映画 「ブラックレイン」出演、ニューヨーク・セントラルパークでのストリートライブ経験を経て、本格的なプロモーション活動を決意。帰国後、東急東横線・学芸大学駅近くに音楽事務所「YALUJYAN OFFICE(ヤルジャン・オフィス)」を設立した。

 屋上パフォーマンスの始まりは、1998年にリリースした2枚目のインディーズシングル「目黒川慕情」のプロモーション活動の一環だった。なぜ屋上なのか、伊藤さんは「セントラルパークのストリートライブで歌った経験から、のびのびと自由に歌えて目立つ場所を探すうちに『屋上』を思いついた。昔から東横線への憧れもあり、この沿線でちょっと変わったアート活動として先駆けになれればという思いもあった」と話す。

 毎年3月中旬~5月中旬の約2カ月間、伊藤さんはビル屋上で歌い続けた。ビル付近は、東横線が減速して通過する区間だが、残念ながら乗客が演奏の音を聴き取ることは難しい。しかしその独特の活動スタイルが次第に噂となり、テレビやラジオ取材が殺到、2003年には念願のメジャーデビューも果たした。

 伊藤さんのライフワークとも言える「屋上パフォーマンス」だが、「もうこの屋上パフォーマンスとしてやるだけのことは十分にできた」(伊藤さん)と今年での終了を決めている。今後は、伊藤さんが立ち上げたインターネットラジオ「学大FM」を起点に、地元密着型のアーティストとして活動を続けていくという。

 「屋上パフォーマンス」は、月曜~金曜の8時~9時30分。雨天中止。5月16日まで。終了後の5月31日には、原宿のライブハウス・クロコダイルで「屋上パフォーマンス10周年記念ライブ・パーティー」の開催を予定している。

Keybow伊藤の屋上パフォーマンス学大FM屋上パフォーマンス10周年記念ライブ・パーティー(詳細ページ)淀川の堤防で毎朝1年間「ちゃぶ台返し」-電車が通過する度に(梅田経済新聞)

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