福井県鯖江市にある工房「ろくろ舎」が手掛けるわんのセミオーダー会「オンリー椀(わん)」が4月6日、日本製雑貨とアパレルのセレクトショップ「katakana 自由が丘店」(世田谷区奥沢5、TEL 03-5731-0919)で始まる。
福井県鯖江市にある工房「ろくろ舎」でわんを製作する酒井義夫さん
「ろくろ舎」は、越前漆器で知られる鯖江で、伝統的な丸物木地師(きじし)としての技術を継承しながら現代のライフスタイルに合わせたオリジナルプロダクトを提案し、独自の販売方法で注目を集めている。
同展では、好みのわんの型を選び、塗りの色や仕上げ方法を注文できるセミオーダー会「オンリー椀」をメインに、工房代表で職人の酒井義夫さんを迎えて「良い椀の選び方」についてレクチャーする「ろくろ舎の一汁お椀のお試し会」、わんや酒器などの定番商品の販売も行う。
「オンリー椀」は、5種類の形状・5種類の仕上げから好きな組み合わせを選べる。形状は、積み重ねてもかさばらないベーシックなわん形の「キホン」、汁を飲む時の唇の形に添わせて縁を反らせた「ハゾリ」、高台をなくしてモダンな印象に仕上げた「ツボミ」など。仕上げ(塗り)は、クリア塗装、拭き漆(茶、焦げ茶)、真塗り(黒・朱)を用意する。価格は7,000円~、納期はクリア塗装・拭き漆=3カ月~、真塗り=6カ月~。
合わせて、同展のみでオーダーできる「katakanaスペシャル椀」も用意する。丼ものが大好きな店主の河野純一さんと、うどん好きの奥さんが選んだという木の丼「ゴウロクワン」は、明治時代ころまで石川県旧柳田村で作られていた「合鹿椀」に由来。床に置いた状態でも食事ができるように通常のわんよりも高台が高く、大ぶりなのが特徴となっている。河野さんは「先人たちの残したおわんの形に敬意を払いながら現代のスタンダードを作り上げていくのは『ろくろ舎』ならでは」と話す。価格は木地=1万5,000円、仕上げの方法によって塗り料金は異なる。
同6日と7日に行う特別企画「ろくろ舎の一汁お椀のお試し会」は、ろくろ舎のわんで豚汁を提供する。開催時間は11時30分~、14時~の計2回。定員は各回6人。参加費は1,000円。要予約制。
雑誌の記事でろくろ舎のわんを見かけ、その美しさに興味を持ったという店主の河野さんは鯖江市にある工房を訪ね、酒井さんの「モノ」に対する思いや考え方に共感したという。「中でも、酒井さんが掲げる『スタンダードなモノで十分』というスタンスは当店も同じ。新しいデザインのモノではなくとも、時代の流れに埋もれている良いモノはある」と話す。
「良いものを長く、自分が本当に納得したモノを身の周りに置きたいという方が最近増えてきたと感じる。これは開業以来、私たちが店で表現してきたことで、うれしい限り。今回のろくろ舎のわんも実際に手に取って触れていただき、納得のいくものを選んでもらえたら」とも。
営業時間は11時~20時。今月19日まで。