東京五輪の聖火が7月9日、都内に到着し、聖火リレーのスタート地点となる駒沢オリンピック公園総合運動場・陸上競技場(世田谷区駒沢公園1)で聖火がお披露された。
1964(昭和39)年東京五輪の第2会場として知られる同所。当初は、聖火リレー出発地を駒沢通りに面した「中央広場」に設定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、同広場に隣接する「陸上競技場」に変更。さらに今月6日、島しょ部を除く都内全地域で聖火リレー公道走行の中止が発表されたことから、出発式は無観客での開催となった。
式典に先立ち、1964年東京五輪の記念文化事業として1965(昭和40)年に都が設立した「東京都交響楽団」が、トランペット五重奏によるパフォーマンスを披露。「東京オリンピック・ファンファーレ」、歌劇「アイーダ」から「凱旋行進曲」などを演奏した。
ステージに登壇した小池百合子知事は、「厳しい状況を全国の皆さまの強い思いとさまざまな工夫で乗り越え、希望の道としてここまで(聖火が)つながれてきた」と振り返り、「それぞれの思いを聖火に込め、オリンピックスタジアムに向けてつなげてもらいたい」とあいさつした。
続いて、東京2020聖火リレー公式アンバサダーで元パラリンピック射撃選手の田口亜希さんが聖火の入ったランタンを持ち、元プロテニス選手の松岡修造さんが田口さんをエスコートしながら登壇。小池知事へとランタンが手渡された。
都内第1走者として、同日午後に町田市で行われる点火セレモニー会場へ聖火を運ぶ松岡さんは「この聖火に『ありがとう』と言いたい。オリンピックが1年延期され、心が途切れそうになっても、この聖火は諦めなかった。困難な状況の中で、世界中の皆さんが、日本中の皆さんが聖火に思いを乗せて次へ次へとつなげていたからこそ今ここにある」と話し、「この状況下でやって来る全アスリートに対して本気で応援したい。その思いを炎に託し、つなげていく」と宣言した。
このあと開会式当日までの15日間にわたって全62市区町村で聖火リレーを行うが、島しょ地域の9町村を除く都内全地域での公道走行を中止。各日の終着点となる会場で点火セレモニーのみ行う。