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自由が丘「玉川屋」のおむすびが販売終了 43年の歴史に幕

毎朝6時の開店と同時に約20種のおむすびが「玉川屋」店頭に並ぶ

毎朝6時の開店と同時に約20種のおむすびが「玉川屋」店頭に並ぶ

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 自由が丘で愛されてきた「玉川屋」(目黒区自由が丘1、TEL 03-3718-5361)が6月4日、自家製おむすびの販売を終了する。

【画像】毎朝6時からおむすびを販売してきた「玉川屋」外観

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 1928(昭和3)年創業の「玉川精米店」(同)が運営する同店。毎朝6時に開店し、定番のさけやたらこ、同店オリジナルの納豆やハンバーグなどの具材を使ったおむすび約20種(各150円)が店頭に並ぶ。

 3代目店主の原武さんによれば、おむすびの販売を始めたのは1979(昭和54)年。「当時は国民1人当たりの米の消費量が減少し、米の流通自由化の動きもあった。そこで一人でも多くの人に米を食べてほしい、おいしさを知ってほしいと父(2代目の章さん)がおむすびに目を付けた」(原さん)という。

 毎朝3時に店内奥のキッチンに並ぶ3升炊きの釜に次々と火を入れ、新潟県産コシヒカリを炊き上げる。精米したての米を使うだけでなく、炊飯時の水分量にも同店ならではのこだわりがあるという。「おむすびは冷めてから食べる物。時間がたつと水分が抜けて固くなってしまうため、水分を多めにするのがコツ」。炊きたてのご飯を握り、具材に合わせてのりの巻き方も変えるなど工夫を凝らす。

 今でこそコンビニ各社がおにぎり商品を取り扱っているが、「始めた当時はコンビニも少なく、『おむすびは家で作るもの』という時代だった。その後、女性の社会進出も増えたことを考えると、(同店のおむすびが)働く女性を少しお手伝いできたかも」(原さん)とほほ笑む。

 自由が丘駅前で「自由が丘1-29地区」再開発事業が来年始まることから、駅前エリアにある同店も一時移転が決まった。精米店としての営業は続けるが、父の代から43年続けてきたおむすび販売の終了を決めた。原さんは「設備や後継者の問題などもあり、悩みに悩んで今が閉めどきだろうと考えた」と無念さをにじませる。

 販売終了を知って、親子3代にわたって常連だった利用客などから惜しむ声も広がっている。「懐かしんで声を掛けてくださる方が多いのはうれしい限り。営業日は残り少ないが、長年の感謝を込めて握って終わりたい」とも。

 営業時間6時~19時。

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