自由が丘北口に「立呑(たちの)み中華 起率礼(きりつれい)」(目黒区自由が丘2、TEL 03-4400-0235)がオープンして1カ月が過ぎた。運営は「シゲキがほしい」(世田谷区)。
(手前右から時計回りで)「ハムユイ炒飯」「熟成麻婆豆腐」「汁なし坦々刀削麺」「煮豚」「名物 よだれ鶏」「白和え」
学芸大学駅東口にある人気酒場「立呑み 鉄砲玉」の店主・正木勇貴さんが手がけた同店。「中華のつまみで気軽に飲めるオールスタンディングの店」をコンセプトに、本格中華を少量ポーションの小皿で提供する。
場所は、学園通り・自由が丘駅入口バス停の裏側にあるL字型の路地裏で、バーや居酒屋が集積する通称「L字が丘」エリア。店舗面積は4.39坪。奥行きのある店内は木目とモルタルを基調としたデザインを取り入れ、立ち飲み初心者や女性も立ち寄りやすい温かみのある雰囲気に仕上げた。約16人が入店できるという。
フードメニューは、ここ数年人気を集める大衆的な町中華ではなく、広東料理をベースにしながら「食べ疲れしない味付け」で仕上げた中華料理を提供。一部日替わりで常時約20種類そろえる。料理は2、3人でシェアするイメージで、約1.5人前のポーション。和柄の陶磁器で提供する。
メニューは、国産ブランド鶏・総州古白鶏(そうしゅうこはくどり)を使った「名物 よだれ鶏」(690円)、甘めに炊いた肉みそに3年熟成のピーシェントウバンジャンなどをブレンドした「熟成麻婆(マーボー)豆腐」(890円)、ピータンやザーサイ、パクチーをチーマージャンであえた「白和(しらあ)え」(590円)、中国黒酢でアクセントを加えた「煮豚(黒酢味)」(790円)など。
締めのメニューは、魚を塩漬けして発酵させた調味料・ハムユイを使い、卵と米を加えてシンプルに炒めた「ハムユイ炒飯(チャーハン)」、もちもちとした食感の生の刀削麺にピーナツバターや肉みそ、自家製ラー油、花椒(かしょう)などのたれを絡めた「汁なし坦々(たんたん)刀削麺」(以上、990円)など。
ドリンクメニューは、甲類焼酎を台湾ウーロン茶・UMACHA(ウマチャ)で割った「白桃烏龍(ピーチウーロン)」「桂花蜜烏龍(キンモクセイウーロン)」など6種類(各590円)、「箱ナチュールワイン(赤・白)」(590円)、中国酒を使った「ドラゴンハイボール」(650円)「白酒(パイチュー)ソーダ」(690円)、紹興酒(790円~)など。
開店から1カ月で、客層は30~40代を中心に男女比は「やや男性が多い」という。平均滞在時間は約1時間30分で、客単価は4,000円強。
正木さんは「大阪で本格中華を立ち飲みでスタイリッシュに提供する店が何店かあり、東京でいつかやってみたいと思っていた」と話す。調理を担当する井上史子シェフは、ザ・リッツ・カールトン大阪「中国料理 香桃」や「中華香彩 JASMINE 広尾本店」で腕を磨いた。
「学芸大学駅から1駅、2駅離れたところに新店出店を考えていたところ、井上シェフとの出会いがあり、自由が丘の中でもディープで渋い雰囲気を持つL字型のこのエリアに引かれ、即出店を決めた。地元で愛される店であることはもちろん、沿線から自由が丘をめがけて飲みにきてもらえる店になれば」と意気込む。
営業時間は16時~23時。火曜・水曜定休。