小惑星探査機「はやぶさ」を忠実に再現-東工大生が実物大模型製作

東工大生が作った小惑星探査機「はやぶさ」の実物大模型(写真は前方から見たところ)

東工大生が作った小惑星探査機「はやぶさ」の実物大模型(写真は前方から見たところ)

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 東京工業大学大岡山キャンパス(目黒区大岡山2)で11月20日・21日に開催される「Make: Tokyo Meeting 06」で、同大生が製作した小惑星探査機「はやぶさ」の実物大模型が展示される。

後方から見た、小惑星探査機「はやぶさ」の実物大模型

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 同大理学部地球惑星科学科3年生の学生有志が作った模型は、10月に開催された学園祭「工大祭」で初披露された。来場者から好評を得たことから、今回の展示が決まった。

 製作のきっかけについて、プロジェクトリーダーで同学科3年の今枝隆之介さんは「実は工大祭の開催に合わせてJAXA(宇宙航空研究開発機構)に『はやぶさ』レプリカの貸し出しを依頼したが、残念ながら実現できなかった。そこで『それならば自分たちで作ってしまおう』ということになった」と振り返る。

 今枝さんは、今年7月に開催された「鳥人間コンテスト選手権大会」人力プロペラ機ディスタンス部門で優勝した同大サークル「Meister」の設計主任を務めたこともあり、その製作経験を生かして約1カ月という短期間で模型を完成させた。

 設計にあたっては、JAXA相模原キャンパス(神奈川県相模原市)を訪問して「はやぶさ」のレプリカを実測。関係者から聞き取りを行なって図面を起こした。「できるだけお金をかけずに忠実な模型を作りたい」と、全長約6メートルの模型本体には廃材や100円ショップなどで買い求めた材料を使い、制作費も10万円程度に抑えたという。

 探査機本体を覆うシワの付いた金色の「フィルム」はアウトドアグッズのシートを、心臓部にあたる「イオンエンジン」はステレオのスピーカーカバーを、「カプセル」部分はシーリングライトのカバーを塗装して代用した。光を反射して小惑星に目印をつける「ターゲットマーカー」部分は、実際にカメラのフラッシュをたくと光るように作られている。

 「工大祭両日は3,500人もの方が来場し、身近な素材で最先端の探査機が表現できることやイオンエンジンが光ることに驚かれた方が多かったようだ。一大学生の思いつきで始まったそんなプロジェクトだったが、製作展示の機会をくれた東工大そして親身に対応してくださったJAXAには大変感謝している」(今枝さん)。

 同模型公開後、貸し出しの問い合わせが数件寄せられているといい、「運搬時の問題がクリアできれば前向きに検討したい」とも。

 開催時間は、20日=12時~18時、21日=10時~17時。

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