東京工業大学の校舎改修工事が「グッドデザイン賞」金賞を受賞

グッドデザイン賞金賞受賞の東工大「緑が丘1号館レトロフィット」正面

グッドデザイン賞金賞受賞の東工大「緑が丘1号館レトロフィット」正面

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 東京工業大学・大岡山キャンパス校舎「緑が丘1号館レトロフィット」(目黒区緑が丘1)が、2007年度グッドデザイン賞の建築・環境デザイン部門金賞を受賞した。築40年の校舎の耐震補強改修工事が高く評価された。

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 同校舎は、1967年に建築された地下1階地上5階塔屋2階の鉄筋コンクリート造。同校舎の耐震診断を行ったところ、柱のせん断補強筋が不足しており、大地震時には2階部分が崩壊する危険性が判明。この結果を受け、2005年2月より同大学大学院理工学研究科・建築学専攻の安田幸一教授を中心に耐震改修設計が進められ、翌年3月に改修を完了した。

 改修工事の特徴は、建物外部から地震エネルギー吸収型の「アンボンドブレース」、アルミマット仕上げで半開放型の「ルーバー」などを設置した点。元々の建築デザインを損なわず、現代的な技術と趣向を凝らした新しい補修デザインに仕上がっている。

 作品名にある「レトロフィット」とは、環境追求型耐震補強工事のことで、建築当時の元の状態に戻すのではなく、元の状態よりもよりよく補強・改修する意味を持つ。今回のアイデアが生まれた背景について、安田教授は「世間一般で耐震補強工事が進まないのはなぜかと常々考えていた。その理由として、いつ来るのか、また来るかどうかもわからない補強工事にお金を出すことの難しさや、ブレースが窓につくと格好も悪くなってうっとうしいなどの実情があった。そこで今回は、ブレースだけでなくルーバーを付けることで、省エネ効果や意匠的なやわらかさを見せることができた」と話し、コスト面でも効果が見られたという。

 改修完了後の校舎の使用感については「今夏は非常に暑かったが、ルーバーによる日射遮断効果でロビーに入ると涼しく感じられた。ルーバーは窓面より少し外側に設置しているので、屋内は広く明るく感じられる。今までに小規模な地震を体験しただけだが、何かブレーキがかかったような揺れを感じる程度だった」(安田教授)という。

 同校舎を含むグッドデザイン賞大賞候補6点には、環境面への配慮や生活の快適性向上など社会が抱える課題に取り組んだものが見られた。「このような改修案が他の華やかな受賞作品と並べて賞をいただけたこと自体驚いた。しかし『改修』という地道な努力の積み重ね、大学・設計事務所・施工者の方々の知恵の結集が評価されたことをうれしく思う」(安田教授)とも。

 同校舎の外観見学は随時可能。

東京工業大学Good Design Award

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