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尾山台に民芸店「手しごと」-現代生活に合う民芸のある暮らしを提案

道具を使って刻んでいく幾何学文様・飛び鉋(かんな)など一子相伝の技法で作られる「小鹿田焼」

道具を使って刻んでいく幾何学文様・飛び鉋(かんな)など一子相伝の技法で作られる「小鹿田焼」

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 東急大井町線・尾山台駅近くに5月12日、民芸店「手しごと 尾山台店」(世田谷区等々力4、TEL 03-6432-3867)がオープンした。

シンプルなデザインだが一つ一つ表情豊かな、倉敷や那覇などのガラス器

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 日本各地の職人が手掛けた生活実用品「民芸品」。時代とともに失われつつあるこうした優れた日本の手仕事を守り育てる活動「手仕事フォーラム」(福岡県)代表の久野恵一さんがプロデュースしたのが同店。

 久野さんは40年間、1年の3分の2は日本各地の手仕事の産地を巡り、仕入れや調査、工人のプロデュース活動を行うなど現代の「民芸運動」に関わっており、作り手と技術の継承を目指している。同店では「現代のライフスタイルに合う『民芸』を取り入れた暮らし」を提案し、各地の手仕事の中から選び抜いた品を紹介・販売する。

 場所は、大井町線・尾山台駅前から等々力5丁目交差点方向へ進んだ路面。店舗面積は約30平方メートル。店内には、小鹿田(おんた)焼(大分)、やちむん(沖縄)などの陶磁器、倉敷(岡山)や那覇・読谷(沖縄)などのガラス器、日田(大分)や鹿児島の竹細工をはじめとする編組(へんそ)品、木漆工、染織品など数百点そろえる。

 価格帯は、皿=1,000円~3,000円、茶わん=1,500円~、コップなどのガラス器=1,000円~、倉敷段通などのマット=2,000円~など。シンプルなデザインに素朴な絵付けの陶器類、用途別に丁寧に編まれたかござるなど、その土地の風合いと作り手の温かみを感じさせるものが多い。

 民芸はその土地の歴史や風土に根ざし、伝統の技を受け継いだ職人たちが作り上げてきた手仕事を指すが、近年では本来の意味に値しないものも「民芸」と呼ばれる混乱が見られるという。

 こうした状況に久野さんは日本の文化継承の危機を感じているといい、「情報発信力のある東京に出店することで本物の『民芸』の良さをよりアピールしていきたいと考えた」と同店担当の西村創太さん。これまでの活動から、生活の質にこだわりを持つ人が多い世田谷周辺での出店を決めた。

 「民芸というと取っつきづらい印象があるかもしれないが、まずは気軽に使ってみることから始めてもらえたら」とも。季節や窯出しの時期に合わせて商品内容を入れ替え、各地の手仕事を紹介するワークショップなども今後予定している。

  営業時間は11時~19時30分。火曜定休。

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