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「トレインチ自由が丘」が複合施設としてリニューアル 屋外滞在型施設に

新たに施設のシンボルツリーとなるレッドウッドが植えられた「トレインチ自由が丘」

新たに施設のシンボルツリーとなるレッドウッドが植えられた「トレインチ自由が丘」

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 自由が丘駅近くの商業施設「トレインチ自由が丘」が11月2日、複合施設としてリニューアルオープンした。運営は東急(渋谷区)。 

2階「(tefu)jiyugaoka」アンティーク家具を配置したラウンジ(a棟)の様子、奥にはカウンター席やソファも

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 2006(平成18)年、東急大井町線自由が丘駅付近の同線車庫跡地に商業施設としてオープンした同施設。4棟の分棟施設(全て2階建て)から成り、敷地面積は2004平方メートル。線路沿いで縦長の形状を生かした通り抜け可能な構造となっている。

 今回のリニューアルで、1階は新規出店4店舗を含む商業店舗8店舗、2階は「まちに開かれた」ラウンジ、カフェ、オフィス、レンタルスタジオを併設する「(tefu)jiyugaoka(テフ ジユウガオカ)」で構成する複合施設として生まれ変わった。

 併せて、屋外の施設共有部を生かした新たな取り組みとして、1階屋外でマルシェやワークショップを定期的に開くほか、「街の人々が『通る、通う』が楽しい日常ガーデン」をコンセプトに、シンボルツリーとなる樹木や鉄道の廃材を使ったベンチを配置。ゆったりとした時間を過ごせる「屋外滞在型施設」を目指すという。

 2017(平成29)年に続いて2度目となる今回の大規模リニューアル。建物の老朽化に加え、通り抜け構造で生活動線として地元の人たちに利用されていることから「施設内での滞在時間の短さ」が課題だったという。ハード面における補修と併せ、「職・住・遊」のうち自由が丘に不足していた「職」の機能として個人事業主や小規模法人向けの「働ける場所」となるオフィスを整備したという。

 屋外のランドスケープデザインは、プラントハンター・西畠清順さんが主宰する「そら動物園」(兵庫県)が手がけた。自由が丘駅側入り口からの施設へのアプローチは、線路脇によく植えられるというエゴノキの白い花でトンネルを演出。シンボルツリーとなる高さ7.5メートルのレッドウッドを含む5本の植栽は、2020年に閉館した商業施設「代々木VILLAGE By kurkku」で撤去された植栽を再利用したもので、環境にも配慮した。

 1階の商業店舗で今回新たに出店したのは、ティーカフェ「THREE TEA CAFE(ツリーティーカフェ)」、ニューヨークスタイルのドーナツ店「DUMBO Doughnuts and Coffee(ダンボ ドーナツ アンド コーヒー)」、青果店が手がけるコロッケとクラフトコーラを提供する「yaoyano(やおやの)」、規格外の果物を使うなど食品ロスに取り組むスイーツ店「Island Softcream(アイランドソフトクリーム)」の4店舗。

 2階「(tefu)jiyugaoka」の企画・設計・運営はUDS(渋谷区)が担当。ラウンジ(a棟)とオフィス(b棟)は、個人向けに短時間から利用できる「ドロップイン」や月額制の個室ブース(9室)・固定デスク(14席)など用途に応じて選択できるプランを用意する。テーブルやカウンターなどの家具はヨーロッパのアンティーク家具を取り入れ、トイレ内の網棚やミーティングブース(6室)の木製扉には、来年1月に定期運行を終了する田園都市線8500系車両の廃材を使った。

 ラウンジとしても利用できるカフェ「amber(アンバー)」(c棟)は、コーヒー専門店「Raw Sugar Roast(ロウシュガーロースト)」(世田谷区)が手がけた新店舗。大井町線線路に面した開放的な眺めが楽しめ、ハンドドリップコーヒー、クラフトビール、自然派ワインなどを提供する。

 レンタルスタジオ(b棟)は、ポップアップショップやワークショップなど多目的に利用できる。面積は29.1平方メートル(倉庫を含む)。

 東急のビル運用事業部事業推進第2グループ沿線AM担当の宅間彩さんは「自由が丘はおしゃれで好感度のある街というイメージが強いが、古くからの商店があるなど新旧が融合し、生活に身近でローカル感のある街」とし、「『職住遊』のうち自由が丘に不足していた『職』の機能を整備し、多世代が多目的に使える『自由が丘の縮図』のような場所になれば」と話す。

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