自由が丘のまちづくりを進める民間会社「ジェイ・スピリット」(目黒区自由が丘1)は3月17日から、まちの未来の姿と活性化の方向性をアート&デザインの視点から考えるイベント「自由が丘×東京芸大 アート&デザイン・プロジェクト」を開催する。
昭和初期には文化人や芸術家が集まる街として知られていた自由が丘。近年、街が成熟するにつれ、以前のような芸術や文化の発信が失われつつあったことから、同社・岡田一弥社長は「再び街に気鋭の人たちの才能や切り口を持ち込んだらどうなるか。今回のプロジェクトはその一つの実験の場」といい、「今年が街にとって『アート再始動元年』となれば」と期待を寄せる。
プロジェクトでは、東京芸術大の彫刻科研究室とデザイン研究室の学生が中心となって自由が丘のためのアート作品やデザインを制作発表するほか、自由が丘エリアの金融機関(計14行)が協力し、作品を発表する場として路面店舗スペースの一部を提供する。
彫刻科・北郷研究室(北郷悟教授)による「猫のある街展」は、各金融機関のエントランスやロビー、ウインドーに猫のさまざまな表情を捉えた彫刻作品を展示する。同研究室は「自由が丘の街並みならではの気品あるイメージと、なじみ深い猫の自由なイメージ、それらを組み合わせることでこの街をより身近な開かれた街にしたい。そして街に『アート』というポイントを点在させることで、より文化的な場所として変化させられれば」と話す。
デザイン科・清水研究室(清水泰博教授)は「街への愛着を持てるアートプロジェクト」をコンセプトにしたアートパフォーマンスや、ベンチを使った社会実験などを展開する予定。オープニングイベント「ボラードペインティングパフォーマンス」(同日10時~16時、野村証券自由が丘支店・玄関前屋外スペース)では、路上に設置する車止めのポール「ボラード」に即興で絵を描くという。
そのほか、同プロジェクトに連動したシンポジウム「アート&デザイン・プロジェクトのこれからを考える」(3月31日13時~15時、野村証券自由が丘支店・地下ホール)も開催。地元在住で、画家としても活躍する歌手の八代亜紀さんらをパネリストに迎える。入場無料で先着順。
「猫のある街展」の展示は各金融機関の営業日時に準じる。問い合わせは自由が丘商店街振興組合(TEL 03-3717-4541)まで。4月19日まで。