東急東横線・大井町線自由が丘駅に曽我佳衣(そが・かえ)駅長が着任して3カ月が過ぎた。
東急電鉄で女性が駅長になったのはこれが初めて。約100人が働く自由が丘駅のトップに立った。今年4月1日付で辞令を受けた時は「正直なところびっくりしたが、当社沿線の中でも自由が丘駅は注目度の大きい駅。これは重責だが、やりがいもあるなと感じた」と曽我駅長は話す。
入社後は鉄道事業部を置く本社に勤務し、主に人事育成を担当。妊娠、出産、育児に携わる社員のための勤務体系や、社員のモチベーションを引き出す「褒める」制度を整えるなど、独自の施策を行って「誰もが働きやすい」環境づくりに取り組んできた。「現場に近い仕事にずっと携わってきたからか、(今回の駅長着任に)それほど違和感がなかった」とも。
渋谷駅助役を経て、2017年には同社独自の現業職「沿線活性化駅長」に就任。同12月には自由が丘で行われたクリスマスイルミネーションの点灯式に駅長服姿で出席した。自由が丘駅長に着任後、あいさつで地元商店街を回ったところ「点灯式に出席していた女性駅長さん」と曽我駅長の姿を覚えている人が多かったと言い、「自由が丘は『女性のまち』だから女性駅長の誕生はうれしい、との声も頂けてありがたかった」と笑顔を見せる。
曽我駅長は1日約16万人が利用する同駅を見守るだけでなく、まちのさまざまなイベントにも制服姿で出席し、地元との交流を積極的に図っている。「(沿線の中でも)自由が丘駅は地元商店街とのつながりが活発。駅を利用される方へ安全・安心で快適なサービスを提供できるよう努め、さらに商店街のまちづくりともコラボしながら、街も駅も一緒に盛り上げていけたら」と意気込む。