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観客もアーティストも「ヘッドホン着用」のライブ 奥沢の撮影スタジオで

ヘッドホンライブ「The Innerspace」ではスピーカーを使わずに、観客もアーティストもヘッドホンを着用する(写真はイメージ)

ヘッドホンライブ「The Innerspace」ではスピーカーを使わずに、観客もアーティストもヘッドホンを着用する(写真はイメージ)

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 インストゥルメンタル・バンド「NABOWA(ナボワ)」のバイオリニストで作曲家・サウンドアーティストの山本啓さんによるヘッドホンライブ「The Innerspace」が8月12日、奥沢の多目的スペース「Factory」(世田谷区奥沢8)で開催される。

バイオリニスト・作曲家・サウンドアーティストとして活動する山本啓さん

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 山本さんは、京都を拠点に活動する4人組インストゥルメンタル・バンド「NABOWA」のメンバーとして活動するほか、クラシックを軸にしながらもクラシック以外の要素も表現できるバイオリニストとして、さまざまなアーティストの作品やライブにも参加。作曲家としては、企業CMの音楽やドキュメンタリー番組、映画のサウンドトラックなどを手掛けている。

 山本さんが精力的に行っているソロライブは、会場に音響機材を全て持ち込み、ループ(繰り返し)やエフェクト(加工)を駆使しながら、バイオリン以外にもギターを奏でながら音を紡いでいくというもの。「音楽」と「場所」をさまざまな角度から検証する表現活動として、これまでホテルのロビーや大型書店で合計6時間以上連続して演奏する「その空間にBGMをつける」をコンセプトにしたライブや、「外界との隔離と内面への旅」をテーマに自分も観客も全員ヘッドホンを使って行われるサイレントライブなどを展開し、全国各地で高い評価を得ている。

 スピーカーを使わないヘッドホンライブについて、山本さんは「普段、特に何もしていなくても私たちは常に五感で自分以外の物事と関わっているが、自分の気持ちの向くもの以外にはなかなか気付きにくいもの。このライブを何度かやるうちに、ヘッドホンで外部との聴覚上のコミュニケーションを意図的に遮断することで、いつもより自分の内側の感情に集中できる事に気が付いた」と話す。

 今回のライブでは、山本さんが特殊な録音技法で収録した「環境音」を使い、アンビエント・ミュージック、バイオリンやギターの音を多重録音して曲を構築したポスト・クラシカル、電子音楽的な要素を含んだサウンドを楽しむことができるという。「いわゆるポップスではないが、このようなジャンルの音楽が『ヘッドホンで聴くライブ』という特殊な条件下においては最も適しているのではないかと考えている」とも。

 主催で同スペースを運営する「ドローイングアンドマニュアル」は、「スピーカーには無いヘッドホンのさまざまな利点を生かしたライブの新しい形、そして自分の内面への旅を楽しんでいただけたら」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は、1回目=17時30分~19時、2回目=20時30分~22時。入場料は3,500円(前売りは3,000円)。定員は各回30人。有線タイプのヘッドホンまたはイヤホン(Bluetooth非対応)が必要。申し込みは「ドローイングアンドマニュアル クリエーターズ ストア」で受け付ける。

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