奥沢のフレンチレストランが火曜限定で「和食店」に-シェフの父が出店

素朴で懐かしい煮物の数々、そして笑顔が魅力的な辻さん夫妻が迎えてくれる「じぃじの台所」1階カウンター

素朴で懐かしい煮物の数々、そして笑顔が魅力的な辻さん夫妻が迎えてくれる「じぃじの台所」1階カウンター

  • 0

  •  

 奥沢の住宅街にあるカジュアルフレンチレストラン「KOST(コスト)」(世田谷区奥沢6、TEL 03-3704-4417)に毎週火曜日のみ店を開く和食店「じぃじの台所」が静かな人気を集めている。

東急大井町線から見えるフレンチレストラン「KOST」(「じぃじの台所)」

[広告]

 東急大井町線線路沿いにあるフランス国旗が目印の「コスト」は、今年2月にオープンしたフレンチレストラン。築60年の一軒家を改造した店内は、1階カウンター=8席、2階テーブル席=12席で成る落ち着いた造り。パリの二つ星レストラン「キャレドフィヨン」で5年間修行した辻光一シェフと、同じくパリでパティシエ修業をした緒方遼子パティシエールが手かげるシンプルなフレンチ&スイーツで地元住民を中心に人気を集めている。

 今年6月から自称「日本一営業日が少ない和食店」として同店定休日限定で営業を始めた「じぃじの台所」は、辻シェフの実の父で「じぃじ」こと雅敏さんが手がける、煮物中心の家庭料理の店。辻シェフが小さいころ、妻に代わって雅敏さんが料理を作っていた時期があり、よく食べさせていた得意料理が「煮物」だったことが開業のきっかけとなった。

 「わたしにとって煮物は、忘れられない『母の味』。鉄道用信号機の製造販売の仕事を引退したらそんな田舎料理の店でもやりたいと思っていたが、息子のフレンチレストランを借りて煮物屋をやりたいと打ち明けたときは、間違いなく反対されると思った(笑)」と話す雅敏さん。しかし意外にも家族から温かい声援を受け、「ばぁば」こと妻の輝久代さんも経営に参加、辻シェフからは味や経営のアドバイスをもらい開業にこぎ着けた。

 毎週火曜の開店時刻近くなると、手作りの「ごぼうと牛肉のしぐれ煮」「豚の角煮」「筑前煮」(各1人前=800円)など毎回5~6種類の煮物の大皿がカウンターに並ぶ。そのほかメニューには、「とうもろこしの天ぷら」(400円)、「唐揚げ」(800円)、「油揚の袋詰め」(800円)などの総菜類、「おにぎりセット」(850円)や「とん汁」(400円)なども並ぶ。

 素朴で懐かしい煮物の味が口コミで広がり、一人で訪れる女性客や仕事帰りのサラリーマンやカップル、「コスト」常連客などで開店早々に満席になる日も多いという。「週1日の営業で時間も限られているため仕込みは大変だが、カウンター越しの皆さんとのやりとりが楽しい。今後はナスやマツタケなど旬の食材を中心としたメニューやおでんも提供する予定」(雅敏さん)。

 今月12日からは、「コスト」で使っている産地直送の食材、同店人気菓子「奥沢プリン」(450円)などのスイーツを雅敏さんが愛用の自転車で町内を宅配する「じぃじの宅配」サービスも始める。

 営業時間は18時~23時。火曜のみ営業。宅配の定休日は火曜・日曜。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース