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「バラの蜂蜜」復活を目指して-自由が丘でバラを育てるバラ園計画

南口「自由が丘スイーツフォレスト」のビル3階部分テラスに作られる「ローズガーデン」(完成イメージ図)

南口「自由が丘スイーツフォレスト」のビル3階部分テラスに作られる「ローズガーデン」(完成イメージ図)

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 自由が丘の街の中でミツバチを育て街の緑を増やす環境活動「丘ばちプロジェクト」が今年で活動5年目を迎え、東日本大震災以降途絶えていたバラの蜂蜜採取復活に向け新たな取り組みを始めた。

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 丘ばちプロジェクトは、街の緑化を進めて二酸化炭素(CO2)削減を目指す環境活動として2008年に始まった「自由が丘森林化計画」のメーン事業。自由が丘で養蜂する「丘ばち」から採取した蜂蜜は、毎年6月ごろから地元洋菓子店で販売する「丘ばちスイーツ」などで楽しむことができる。

 丘ばちスイーツ開発当初、参加店の地元洋菓子店「モンブラン」(目黒区自由が丘1)のパティシエが自由が丘産の蜂蜜を初めてテイスティングしたところ、その濃厚な味わいと独特の香りから「これはバラの蜂蜜だ」と感動したという。

 ミツバチは主に半径約2キロ圏内の行動範囲に生息する花や果樹から蜜を採取するといわれている。そこで自由が丘の周辺環境を調べたところ、駅近くのビル持ち主が趣味の屋上ガーデニングで育てていたバラがミツバチの「蜜源植物」だとわかった。

 丘ばちのバラ蜜に異変が起きたのは2011年、東日本大震災発生後のこと。ビル持ち主が耐震補強を理由にガーデニングを全撤去したことで、丘ばちの蜂蜜からバラの味と香りが消えたという。

 養蜂活動に取り組む自由が丘商店街振興組合は「バラの蜂蜜を自分たちの手で復活させたい」と、街にバラを植える「バラ園」造りを思い立ち、東京急行電鉄(渋谷区)が沿線の緑の街づくり活動を支援する事業「みど*リンク」に応募。見事、本年度の支援対象グループに選ばれた。4月下旬からバラ園造りを始め、まずは街の各所に苗木を受けたプランターを設置。6月ごろには南口「自由が丘スイーツフォレスト」3階テラス部分にバラ園を完成させる予定だという。

 今年の丘ばちの生育状況は、活動開始から初の「ミツバチの越冬」に成功したため、セイヨウミツバチ約4万5000匹でシーズンをスタートし、現在順調に数を増やしている。

 「今年は天候不順でミツバチの活動状況に遅れが出たため、丘ばちスイーツの発売は6月以降の見込み」と同組合。今年早々にバラの蜂蜜復活の兆しを見せるかどうか、丘ばちの活動に期待が寄せられている。

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