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ヨーロッパの「鉄柵」を描いた鉛筆画展-都立大駅周辺2会場で同時企画

直線と曲線が巧みに組み合わさったヨーロッパの格子装飾「鉄柵」を、黒鉛筆で精密に描いた「鉄の装飾-中島真弓鉛筆画展」より

直線と曲線が巧みに組み合わさったヨーロッパの格子装飾「鉄柵」を、黒鉛筆で精密に描いた「鉄の装飾-中島真弓鉛筆画展」より

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 目黒通りにある額装・額縁専門店「newton(ニュートン)」(目黒区八雲1、TEL 03-3723-1230)で現在、「鉄の装飾-中島真弓鉛筆画展」が開かれている。

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 17世紀から19世紀のヨーロッパの宮殿や教会などの建築物に取り入れられている格子装飾「鉄柵」。直線と曲線を巧みに組み合わせたデザインで門、扉、窓、バルコニーなどを飾る鉄柵は、当時ほとんど無名の鉄職人たちの技術力と芸術性によって造り出されたという。

 ベルギー、オランダ、イギリス、フランス・パリの鉄柵を描いてきた画家・中島真弓さんの作品展を、同店と都立大学駅前「Quantum Gallery & Studio(クァンタムギャラリーアンドスタジオ)」(目黒区中根2)で同時企画。先行開催の同店では、全作品を額装した小品約30点を展示する。

 中島さんが鉄柵を作品テーマに選んだのは、十数年前に訪れたヨーロッパで「明かりに照らされ夕闇に浮かび上がる鉄柵を目にし、その線の美しさに魅了された」のがきっかけ。1970(昭和45)年武蔵野美術大学油画科卒業後、油絵作品を手掛けていたが「鉄柵の優れたデザインを客観的に描き残したい」と鉛筆で描き始めた。

 作品制作には濃淡の異なる鉛筆を数種類使う。まず硬く薄い「3H」で描き始め、少しずつ濃度を上げて重ね描きをしながら最後は黒色の強い「4B」「5B」で仕上げていく。濃淡が濃くなるほど光の反射が生まれるため、作品を間近で見ると鉄本来の質感までも伝わってくる。

 「さまざまな災害被害で多くの人が亡くなる姿に、人間は何て無力なんだろうと思うこともあるが、人間が手掛けた鉄柵は何百年の時を越え歴史をつないでいる。(作品を通して)人間が持つ力や強さを感じ、元気を出してもらえたら」と中島さん。

 16日から後続開催する「Quantum Gallery & Studio」では、オランダの平和宮(現・国際司法裁判所)の扉など30号~40号サイズで描いた大作約10点を展示。そのほかオープニングイベント「ARTのナカのXmasコンサート」(16日15時~、17時~)も開催。音楽家の中島真麗さんが、19世紀のイギリスで作られた「スクエアピアノ」を演奏する。予約方法などは同ギャラリーサイトまで。

 営業時間は、平日=9時30分~19時、日曜=10時30分~17時。12月25日まで。

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