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被災地の写真洗浄を記録した「アルバムのチカラ」、八雲で出版イベント

被災地での「写真洗浄」活動の様子を2年にわたって取材し記録した書籍「アルバムのチカラ」表紙

被災地での「写真洗浄」活動の様子を2年にわたって取材し記録した書籍「アルバムのチカラ」表紙

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 東横線・都立大学駅北口にある「THERME GALLERY(テルメギャラリー)」(目黒区八雲1、TEL 03-3723-6286)で3月27日~29日、写真家・浅田政志さんを迎えてイベント「『アルバムのチカラ』出版記念茶会」を開催する。

「アルバムのチカラ」収録作品から

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 浅田さんと編集者・藤本智士さんが東日本大震災から2年にわたり、被災地の「写真洗浄」活動の現場を取材し記録にまとめた「アルバムのチカラ」(赤々舎)が3月11日に刊行されたのを記念して開かれる同イベント。

 藤本さんは2009年、デジタル全盛の時代に写真をプリントすることや、アルバムを作ることの大切さをあらためて伝えるイベント「ALBUM EXPO」を企画。同イベントには気鋭の写真家も参加しており、その一人が、コスプレをしながら自身を含めた家族の姿を捉えた写真集「浅田家」(2008年)で第34回木村伊兵衛写真賞を受けた浅田さんだった。

 イベントの次回開催を検討していた矢先、東日本大震災が発生。震災から1カ月後、それぞれボランティア活動に参加していた藤本さんと浅田さんは、東北沿岸部各地で自然発生的に始まった「写真洗浄」の活動を知った。「活動を取材することで、写真洗浄のノウハウを各地でシェアできないか」と考えた2人は定期的に現場を訪ね、その様子を展覧会にして伝えるなどの活動を行ってきた。

 同書は、インターネットなどを通じて不特定多数から資金を募る「クラウドファンディング」を利用して制作。昨年4月の募集終了までに目標の200万円を超える資金が集まり、刊行にこぎ着けた。

 同イベントでは、同書に掲載された作品を中心に大型作品3点、L判写真100点を会場に展示。色校正など同書の制作資料も公開する。期間中は浅田さんが終日在廊し、制作中の話など浅田さんの説明を交えながら展示を見ることができるという。

 被災地・宮城県出身という同ギャラリーの松岡マリイさんは「震災から今年で4年を迎えたが、今回のイベントを通して震災を風化させずに伝えていけたら。本に興味を持たれたら来場してほしい」と呼び掛ける。

 期間中は同書の販売も行う。価格は1,600円(税別)。購入者先着100人に、展示するL判写真プリントの中から好きな作品を1枚進呈する。

 開催時間は13時~20時。

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